イマドキ女子に教える「将来イクメンになる人の見抜き方」
田中俊之氏
田中:安藤さんは現役学生に向けても、これからの家族のあり方について講義されていますね。
安藤:女子学生に「イクメンになりそうな彼氏選び」という意味でよく教えているのが、まずはコミュニケーションがうまくて相手の気持ちに寄り添える人かどうか。あとは育った環境ですよね。とくに教えるのが、もし付き合って結婚を意識し始めたら、彼氏の実家に行ったほうがいいよって。「実家に行って何を見るんですか? お父さんの顔ですか?」って聞かれるんですけれど、お父さんと結婚するんじゃないんだから! そうじゃなくて、お父さんが、お母さんに対して取ってる態度を見るといいよって言うんです。
田中:なるほど。
安藤:息子の彼女が家に来るわけですよ。僕も息子がいるから、そういう局面が来たら、やっぱりソワソワしちゃうと思う。将来息子のお嫁さんになる人に気に入られたいと思うから、部屋に花を飾ったりとか(笑)、ビールをついだりとか、たぶんやると思うんですよ。
田中:ええ。
安藤:でも逆に、まったくやらないで、自分の奥さんに「おまえ、早く飲み物を持ってこんか」とか言っているお父さんの長男はやめたほうがいい。
田中:ああ~。
安藤:だって20年間ずっとそれを見て育っているわけだから。毎日毎日、繰り返し。
田中:たしかにそうですね。
安藤:「夫とか父親はそういうものだ」っていう環境で育っているので。それが悪い人って意味ではないんだけれど、そこからイクメンへと意識を入れ替えるのって、けっこう大変だと思う。
田中:僕がけっこう難しいなって思うのは、恋愛のときって引っ張ってくれる、男らしい男っていいじゃないですか。正直、モテちゃいますよね。ただ、いざ結婚したときに変われないと困るっていうことですよね。
安藤:こんなはずじゃなかったっていうね。僕自身も最初はけっこう意識が古かったので、オムツ替えも、ウンチがダメでね。臭ってくると「ママ〜」とか呼んでたんですよ。
田中:意外ですね! 安藤さんが最初ウンチが無理だったというのは。
安藤:「これは母親の仕事だよな」って、どこかで思っちゃっていて。でも、僕のパートナーは実家の母親ではないんだということを認識したんです。その人も働いているわけだから、自分の最大限できることを「手伝う」んじゃなくて「シェア」して楽しまなきゃなと思って。そこで、子どものウンチっていうのは、健康状態を示す「情報」なんだと気がついたの。子どもの命を守るのが父親の仕事だとしたら、その最先端情報を毎朝見るのが俺の仕事だと。
田中:へえー。