「将来イクメンになる人の見抜き方」育った環境で素養がわかる
安倍政権下「女性活躍」が叫ばれる昨今、「男も家事・育児参加すべき」とする風潮になっている。イクメンなる言葉が定着したなか、いまどきの父親は新たな悩みを抱えている。果たして、父親となった男性諸氏に救いはあるのか。そこで、近著『「パパは大変」が「面白い!」に変わる本』(扶桑社刊)を執筆し、父親の育児支援を行う安藤哲也氏(NPO法人ファザーリング・ジャパン代表理事)と、「男性学」第一人者の田中俊之氏(武蔵大学社会学部助教)が特別対談。父親が抱える病巣とその解決策を話し合った。
田中:育児を始めて、いままで関わることのなかったものに関わるようになりましたね。地域に児童館があったのなんて知らないし、ましてや行かないし。
安藤:子どもと同じ速度で歩いてみると、いつもの街が全然違う風景に見えてくる。
田中:前は交通量が多いところに住んでいて、僕だけでは気になりませんでしたけれど、こんなに排気ガスがすごいんだ、とか。
安藤:僕もそう。ベビーカーを押しているときに、子どもが段差で起きちゃったときがあって、これって、車椅子の人もたぶんすごい不便なんだろうなって気がついた。社会を子どもの目線で見てみると、優しくないなぁって。
田中:ベビーカーを押していると、車椅子の方のことはすごく想像しますよね。移動するのにエレベーターを探し回らなくちゃいけなくて、しかも優先エレベーターって書いてあるのに、人がギュウギュウのこともあったりして。
安藤:まだユニバーサルじゃない面もありますね。10年前にファザーリング・ジャパンを立ち上げたときに「男性トイレになぜオムツ交換台がないんだ」って問題を提起したことがあって。最近は駅にも増えてきて、新しくできたビルにはほとんどついていますよね。そういうハードの面では、イクメンもだいぶ定着してきたなと思うんですけれど。
田中:そうですね。僕はまだ第一子が生まれて1年なので「オムツ替えのスペースって、男の人も入れるんだ」って逆に驚きました。
安藤:僕のときは本当になくて、洋式トイレのふたの上でやっていたんだから。
田中:へえ~。
安藤:途中で子どもが落っこちそうになったりして。
田中:それだけ男性でする人がいない、奥さんがやるものというイメージがあったんですね。

【安藤哲也×田中俊之対談】父親になって身についた視点

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『「パパは大変」が「面白い! 」に変わる本』 本書の第五章にも、安藤氏×田中氏の対談を収録。男性も「当たり前に」育児をすることを求められてしんどい現代、育児も仕事も、人生を楽しくするために必要な社会なあり方について提言を行っている。 ![]() |
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