「将来イクメンになる人の見抜き方」育った環境で素養がわかる
「パパは大変」が「面白い!」に変わる本』(扶桑社刊)がある
【田中俊之氏】
1975年生まれ。武蔵大学社会学部助教。博士(社会学)。社会学・男性学・キャリア教育論を主な研究分野とする。『男性学の新展開』(青弓社)、『男がつらいよ 絶望の時代の希望の男性学』(KADOKAWA)、『〈40男〉はなぜ嫌われるか』(イースト新書)、『男が働かない、いいじゃないか!』(講談社+α新書)など著書多数。一児の父。
<構成/伊達一真>
安藤:子育てもシェアするし、働くこと、稼ぐこともシェアしたほうが楽だなーって気がついて。僕、前世がイタリア人なので。
田中:あははは。
安藤:あんまり働きたくないんですよ。長時間労働とか絶対にやりたくなくて。短い時間で働いて、そのあと育児を楽しむにはどうしたらいいかなって考えたら、やっぱり二人でやったほうがいいなって気がつきましたよね。
田中:片方だけだったらやっぱり必然的に長時間労働になっちゃうし。
安藤:だから学生たちにも、いま「イクメン」っていう言葉もあるけれども、それに期待しすぎずに、お互いができることを感謝しながらやっていったほうが、たぶんうまくいくと伝えています。これから少子化になると、もっと教育費も上がっていくと思うので、やっぱり二人でやれる仕組みを考えたほうがいい。
田中:学生からはどんなリアクションがあるんですか?
安藤:授業の冒頭で「お父さんに絵本を読んでもらったことがある人いる?」って聞くと、ほとんど手が挙がらないんですよね。
田中:お父さんが育児する、ということが想像できない。
安藤:でも90分間の講義のあとに感想を聞くと、「一緒に家事・育児をやっていける、そういうパートナーを見つけて結婚して、仕事を続けたい」って言ってくれます。先生もこれから子どもが成長する過程でいろいろあると思いますが、一応、僕はパパとしては経験がありますので。
田中:はい。よろしくお願いします。
安藤:夫婦喧嘩の解消の仕方もよく知っていますので。
田中:では、取り返しがつくうちに相談します(笑)。
※対談は2月17日に飯田橋で行われた出版記念パーティの模様から収録
【安藤哲也氏】
1962年生まれ。二男一女の父親。出版社、書店、IT企業など9回の転職を経て、2006年にファザーリング・ジャパンを設立。厚生労働省「イクメンプロジェクト推進チーム」顧問、内閣府「男女共同参画推進連携会議」委員、内閣府「ゼロから考える少子化対策プロジェクトチーム」、観光庁「休暇改革国民会議」委員などを歴任。NPO法人タイガーマスク基金代表も務める。近著に『
『「パパは大変」が「面白い! 」に変わる本』 本書の第五章にも、安藤氏×田中氏の対談を収録。男性も「当たり前に」育児をすることを求められてしんどい現代、育児も仕事も、人生を楽しくするために必要な社会なあり方について提言を行っている。 |
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