肩入れから一変…沖縄メディアが翁長知事に辛辣な批判を浴びせる理由
<翁長知事は「県民に対して失礼なやり方ではないか」と表現したが、県民を引き合いにした感情論ではなく、なぜ米側が協議のテーブルにつかなかったかを振り返らねばなるまい>
2月22日付の『沖縄タイムス』に掲載されたワシントン駐在特約記者のコラムが沖縄で話題を呼んでいる。
2月上旬、沖縄県の翁長雄志知事はトランプ側近に、沖縄基地問題の解決を訴えようと訪米した。だが、翁長知事と入れ違いで訪日したマティス国防長官は安倍晋三首相との会談で、米軍普天間飛行場を名護市辺野古に移設する計画を「唯一の解決策」と確認。これに対して、翁長知事がワシントンの記者会見で「県民に対して失礼」と不満を口にしていたのだ。
自分がワシントンにやって来て辺野古に基地を作るなと要請活動をしているのに、それを無視するかのように日米両政府が「辺野古が唯一」とやるのは、失礼じゃないかと言ってみせたのである。
『沖縄タイムス』は、そんな翁長知事にツッコミを入れた格好だが、沖縄の地元紙はこれまで徹底して翁長知事に肩入れしてきたはず。なぜ、こんな辛辣なコラムを掲載したのか?と、沖縄では話題になっているのだ。
もっとも、コラムにある通り、翁長知事はワシントンで米側に相手にされなかったようだ。朝食会でティラーソン国務長官と出会う機会があったものの、ただ挨拶しただけ。政府関係者では国務省の日本部長とかろうじて会談したが、ここでも「辺野古が唯一の解決策」と言われてしまう。
『沖縄を売った男』 翁長氏とはまったく異なるアプローチで沖縄の基地負担軽減に取り組んだ仲井眞氏を通して、基地問題を見つめ直した一冊 |
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