肩入れから一変…沖縄メディアが翁長知事に辛辣な批判を浴びせる理由
地元紙『沖縄タイムス』は、2月2日付の社説<辺野古 海上着工へ 「撤回」の最終判断急げ>との見出しの社説で、こう求めて翁長知事を急き立てている。
2月9日付の同紙には、うるま市の市民団体の代表による寄稿も掲載された。
そして、冒頭に引用したワシントン駐在の沖縄タイムス記者のコラム。
何をグズグズしている、さっさとカードを切ってしまえ、というわけだ。 それでも、翁長知事は煮え切らない。2月23日の県議会で撤回についてどうするのか問われても、側近の知事公室長が「法的観点からどのようなことが撤回の理由となるのか検討している」と述べるにとどまった。県の幹部は、「知事は辺野古で再開した工事を確実に止められるタイミングを見計らっているのではないか。ただ、『取り消し』を巡る裁判で、国に完敗しただけに、十分に勝てるという確証がなければ、撤回に踏み切るのには慎重にならざるを得ない」と、翁長知事の心情を慮る。 行政のトップとしての立場と、辺野古移設阻止に向けてあらゆる手段を尽くすよう求める基地反対派からの圧力との狭間で苦しんでいるとすれば、それは自ら招いたもの。その間にも政府は容赦なく工事を進めるだろう。翁長知事はどのような一手を打つのか。あるいは何もできずに失速するのか。要注意だ。 取材・文/竹中明洋
<翁長知事は撤回について言及しておらず、市民団体との間に溝かができかねない。後戻りできないほど工事が進む懸念が消えず、撤回の最終判断を早急に打ち出すべきだ>
2月9日付の同紙には、うるま市の市民団体の代表による寄稿も掲載された。
<工事が進めば進むほど裁判になったとき、撤回の効果は薄れ撤回の有効性の全否定もあり得ます。「あらゆる手段で新基地を阻止する」というあなたの本気度が、まさに今試されています>
そして、冒頭に引用したワシントン駐在の沖縄タイムス記者のコラム。
<大浦湾では、巨大なコンクリートの塊が次々と投下され、海上工事が着々と進められている。体を張って海を守ろうとする県民にはまさに緊急事態だが、県側から聞こえてくるのは撤回慎重論ばかりだ。県は撤回を「最後の切り札」として温存しているようだが、「撤回」という「切り札」は果たして先送りできるものなのか。(中略)タイミングを間違えば切り札もただの札になる。時間はもう残されていない>
何をグズグズしている、さっさとカードを切ってしまえ、というわけだ。 それでも、翁長知事は煮え切らない。2月23日の県議会で撤回についてどうするのか問われても、側近の知事公室長が「法的観点からどのようなことが撤回の理由となるのか検討している」と述べるにとどまった。県の幹部は、「知事は辺野古で再開した工事を確実に止められるタイミングを見計らっているのではないか。ただ、『取り消し』を巡る裁判で、国に完敗しただけに、十分に勝てるという確証がなければ、撤回に踏み切るのには慎重にならざるを得ない」と、翁長知事の心情を慮る。 行政のトップとしての立場と、辺野古移設阻止に向けてあらゆる手段を尽くすよう求める基地反対派からの圧力との狭間で苦しんでいるとすれば、それは自ら招いたもの。その間にも政府は容赦なく工事を進めるだろう。翁長知事はどのような一手を打つのか。あるいは何もできずに失速するのか。要注意だ。 取材・文/竹中明洋
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