ホークとアニマルはベスト・フレンズ――フミ斎藤のプロレス読本#030【ロード・ウォリアーズ編エピソード15】
ホークとアニマルがそれぞれに“ロード・ウォリアーズ”を客観視できるようになるまでに3年数カ月の時間がかかった。ホークはロード・ウォリアーズを通過してきた道ととらえ、アニマルはそれをただひとつの道と考えた。
ホークとアニマルは、ホークとアニマルとしてではなく、マイク・ヘグストランドとジョー・ローリナイティスとして再会した。ヒントになったのは、イーグルスの“アンプラグド”だった。
名曲“ホテル・カリフォルニア”は、ふたりがハイスクールを卒業した70年代の終わりのメガ・ヒット。イーグルスの音は、やっぱりイーグルスにしか出せない。そして、“ホテル・カリフォルニア”はイーグルスだけのものではなく、あの時代を生きた人たちみんなのものである。
ロード・ウォリアーズもまたロード・ウォリアーズだけのものではなく、ロード・ウォリアーズと同じ時代を生きたプロレスファンの共通の財産だ。ホークとアニマルは、アンプラグドなプロレスをやってみたくなったらしい。
「ミネアポリスから離れることはない」「トシをとったら山奥で暮らす」なんて話していたホークは、いつのまにかフィアンセを見つけてフロリダに新居をかまえた。
アニマルの家にはティーンエイジの子どもたちがいる。キレキレのロード・ウォリアーズだったころとくらべると、おたがいをとり巻く生活環境もずいぶん変わった。
大切なのは、やりつづけること。いやになったり、また好きになったりしながらずっとつづけることである。
ホークとアニマルは、いったんロード・ウォリアーズを捨ててしまうことでロード・ウォリアーズが歩んできた道を再確認した。
ペインティングの模様は、アニマルがスパイダーで、ホークがスプリット・パーソナリティー(二重人格)。これはずっと変わらない。
またケンカをすることもあるかもしれないし、そういうことはないかもしれない。ロード・ウォリアーズは、あくまでもふたりいっしょでロード・ウォリアーズなのである(この項おわり)。
※文中敬称略
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ1
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