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「男らしい表情」と「女らしい表情」の違いは、どうやって生まれる?【カリスマ男の娘・大島薫】

男性/女性らしさを感じさせる「雰囲気」の正体

 毎日メイクするようになって気付いたのだが、道行く女性たちのスッピンが想像できるようになった。そこでさらに思うのだが、女性の顔立ちと男性の顔立ちに大きな差はないのではないかと思う。そりゃあ、たしかに体格の差はあるのだが、単純な目の形、鼻の形、口の形は個人差の範囲だ。  それに、男性より顔の大きな女性だっている。しかし、その女性を見たところで「男性かな?」と思うことは稀だ。であれば、なにが男女を分けているのか。  それはつまり、育ってきた環境による表情であったり、仕草であったり……要するにボクらが曖昧に普段表現する「雰囲気」というやつだ。その雰囲気を作り上げるのが、環境なのではないだろうか。  さっきの例をもう一度上げて考えてみよう。例えば、女性のように普段から口角を上げて笑みを浮かべたまま生活をしている男性がいたとする。すると、世間の印象はどうだろう?  優しそうだけど、頼りなさそう。ヘラヘラしている。情けない。……と、あまり良い印象で思われることは少ない。だったら、やはりキリッとした表情で生きているほうが男性は生きやすい。  今度は逆に、男性のようにそのキリッとした表情で歩く女性がいたとしよう。その場合の周りの評価はどのようになるのか。  かっこいいけど、恐そう。不愛想。怒ってるみたい。世間一般の女性が愛らしい姿を求められることが多いので、やはりそのイメージに合わない場合は悪い印象のほうが強くなる。  ボクらはどうしようもなく、社会が作り上げた男女のイメージで育てられ、いろんなもので身体を作り上げられていく。そして、その社会の「男」と「女」になるのだ。しかし、本来ボクらが持っている社会に作り上げられる前の“本質”ともいうべき性は何なのだろうか?  もし、あなたがふと鏡を見ることがあったら、どこかでこの話を思い出してもらいたい。そこに映るあなたの表情は男性だろうか? 女性だろうか? それともそのどちらでもないのかもしれない。 【大島薫】 作家。文筆家。ゲイビデオモデルを経て、一般アダルトビデオ作品にも出演。2016年に引退した後には執筆活動のほか、映画、テレビ、ネットメディアに多数出演する。著書に『大島薫先生が教えるセックスよりも気持ちイイこと』(マイウェイ出版)。大島薫オフィシャルブログ(http://www.diamondblog.jp/official/kaoru_oshima/)。ツイッターアカウントは@Oshima_Kaoru
1989年6月7日生まれ。男性でありながらAV女優として、大手AVメーカーKMPにて初の専属女優契約を結ぶ2015年にAV女優を引退し、現在は作家活動を行っている。ツイッター@OshimaKaoru
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