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「男らしい表情」と「女らしい表情」の違いは、どうやって生まれる?【カリスマ男の娘・大島薫】

 見た目は美女でも心は男――。「カリスマ男の娘」として人気を博し、過去には男性なのに女優としてAVデビューを果たした大島薫。女性の格好をしたまま暮らす“彼”だからこそ覗ける、世の中のヘンテコな部分とは?

「男らしい表情」と「女らしい表情」の違いは、どうやって生まれる?【カリスマ男の娘・大島薫】

著者(右)とミシェルさん

「育ちは顔に出る」なんて言葉があるが、「性別も顔に出るな」と思う、今日この頃だ。

 ボクには交際をしている男の娘の彼女がいるが、最近半同棲のような生活になってきていて、一緒にいる時間がグッと増えた。お互いの過去について話す時間も多くなったため、意外な気付きも頻繁にある。

 曰く、彼女は今の見た目になって涙もろくなったそうだ。

 もともとは兄と妹の二人兄妹の長男であったため、彼女は幼いころから自分の感情を押し殺して生きてきたそうだ。

「お兄ちゃんなんだから、自分が我慢しないと……」
「家族の期待に応えないと……」

 一方、妹さんはわりと感情を表に出すタイプだったそうで、お兄ちゃんだった彼女はそれを黙って見ているようなそんな幼少期だったらしい。それを聞いてボクは、ふと思った。

「それってさ、感情を表に出せる女のコへの憧れへ繋がってない?」

 彼女は「そういう部分もあると思う」と答えた。

 思えば、ボクもそうだったような気がする。

格好は完全に女性でも表情が男性だった


 感情の吐露という点では、ボクは男性の見た目のころから彼女ほど表に出していないわけではなかったので、落差はそう激しくない。ただ、顔つきが変わったように思う。

 昔、女装を始めて数か月ほど経ったころ。次第に髪も伸びてきて、メイクの腕も上がり、歩き方や仕草なども女性に近くなってきたぐらいのとき。ボクは正直パッと見ただけで男性とわかる段階は脱したと思っていた。

 そんなある日、街中でショーウィンドウに映る自分の顔を見て、あることに気づいた。

 表情が「男」なのだ。

 目つきが鋭く、口はへの字に曲がった精悍な表情。まさにそれは男の顔だ。

 これをお読みの方が男性の方でも女性の方でもいいのだが、街中を歩いていることを思い出してみて、そんな表情で歩く女性を見たことがあるだろうか? そりゃあ、終始一人でニコニコしている女性はいないだろうが、基本的に口角は上がっているような気がしないだろうか。

 逆にずっとヘラヘラした表情で街中を歩く男性も、あまり見たことはないだろう。「性別は顔に出る」のだ。

 それに気づいてから、ボクは多少にこやかな表情を浮かべて生活するようにし始めた。すると、それが染みついてきたからなのか、1、2年後あたりから顔立ちが変化し始めた。

 頬骨のあたりから顎にかけてのラインが丸みを帯びてきている。女性に近い丸いシルエットだ。ボクは女性ホルモンを投与していないし、体重の変化なども特にない。つまり、表情筋の付き方が変わったのだ。そりゃあ、毎日毎日ほんの数cmでも口角を上げて暮らしてれば、鍛えられる部分が変わっていくはずだ。

 そこで思った。女性の顔、男性の顔は生まれつき決まるものではない、作り上げられていくものではないのか、と。

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男性/女性らしさを感じさせる「雰囲気」の正体

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