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高級マットレスにしたら寝られなくなった…寝具を買うときに絶対必要な予備知識とは?【元ふとん屋が教えます】

寝具選びでは「新鮮さ」に注意すべき

 ただこの相談にはもう一つ、失敗に繋がりやすい要件が隠れていました。  すなわち第四の理由として、マットレスの異常なまでのハードさが「とても新鮮」に感じられたことです。  相談者は「買うときはいいと思ったのに、届いて数日で失敗に気づいた。店頭でも少し硬いかなとは思ったけど、ハードなほうが良いと聞いていたので……」とぼやいていました。  恐らく、あんなにウルトラハードな寝心地は、相談者さんの人生で初めてのことだったでしょう。普遍的な寝具の寝心地に慣れていた心理は、異質で物珍しい尖った寝心地にときめいてしまったといえるかもしれません。  しかも店頭での試用はたいてい2分以内ですから、新鮮さは新鮮なままインプットされ、購入したくなってしまいます。思い出が綺麗なまま保管されるのと似た現象が起こるのです。  ところが、鮮烈な印象を与えてくれる寝具というものは、得てして“極端な特徴”を持っていたりします。硬すぎたり、軟らかすぎたり、肌触りが独特すぎたり……。  新鮮な商品というのは、ある意味ではほかの開発者があえて手を出さなかったために普及せず、今の今まで消費者の前に姿を現せなかった可能性が大きい、ということでもあります。  以上、とある相談事例から、寝具購入時に陥りやすいワナを考えてみました。この事例は実は非常に多いもので、失敗したケースでは上記の四項目のうち最低一つは必ず含んでいるといってもいいくらいです。寝具の購入を検討されている方にはぜひ警戒していただきたいと思います。  買うときには勢いも大事なのですが、立ち止まる勇気も大切! 今後もいろんな観点から寝具と睡眠について考えていきたいと思います。 【大野悦史】 元寝具店経営者。都内で十数年ほど寝具店を経営し、その後は寝具コンシェルジュとして活動中。最新寝具のレビュー情報や睡眠豆知識を紹介するブログ「寝具の情報・ニュースまとめブログ」も運営している。 ※写真はイメージです
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