更新日:2022年10月20日 23:17
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40代は親世代のスネをかじっておけ!2020年には「遺産相続&生前贈与ラッシュ」が始まる!?

「2020年、女性の半数が50歳超え」「2033年、3戸に1戸が空き家に」「2040年、自治体の半数が消滅」など、政府のデータや推計値を用いて日本の暗い先行きを展望した『未来の年表』(著者・河合雅司、講談社現代新書)が25万部を超える大ヒットとなっている。 日本 日本はこれから未曽有の人口減少が進む。すでに日本の人口は、2008年の1億2808万人をピークに減少。2016年の出生数は初の100万人割れとなった。国立社会保障・人口問題研究所によると、2053年には1億人を割るとまで推計されている。  加えて、高齢化も一気に進む。2025年には、団塊の世代が全員、後期高齢者と呼ばれる75歳以上になる。これは「2025年問題」と言われていて、全人口の2割近い約2200万人が75歳以上という、人類が経験したことのない“超高齢化社会”に突入するのだ。高齢化が進むと現役世代の負担は増すばかりで、老後への不安は膨らむ一方だ。  だが、生活経済ジャーナリストの柏木理佳氏は、「年金生活に突入した団塊世代を親に持つ40代にとってはむしろチャンス」と説く。 「現役世代は退職金で住宅ローンの残額を払おうと考えている人が多くいます。しかし将来、退職金は期待するほどもらえないかもしれませんし、住宅ローンの返済に充ててしまうと、老後の資金として十分な額を確保できなくなります。対して、総務省が発表した2016年の家計調査によると、70代以上の世帯の平均貯蓄額は2356万円。しかも、今の65歳以上世帯の平均年間所得は約300万円。住宅ローンは完済しており、貯金に手をつけずに夫婦の年金だけで生活できています。私たちは親世代ほどの貯蓄も年金に頼った生活も難しいのが現実です。そもそも、昔は『生涯年収3億円』といわれていましたが、今は2億円。1億円も差があります。となると、余力のある親の遺産をアテにしないわけはないですよね」  平均寿命を考えると親からの遺産相続は10~20年は先の話にも思えるが、「親が存命の今のうちからもらえるものはもらっておくべき」と柏木氏は語る。 「例えば、リフォームを含む住宅費の援助はもちろん、20歳以下の孫への教育費は2019年3月までなら1500万円の一括贈与も非課税です。生前贈与も2500万円まで特別控除が認められているので活用したいですね」  つまり、このタイミングで遺産相続ラッシュが始まる可能性はゼロではないのだ。実際、4年前にカンボジアのプノンペンに移り住んだ佐々木純平さん(仮名・45歳)は、生前贈与と死亡時に、現金3000万円と埼玉県内の実家マンションを相続。18年間のサラリーマン生活で貯めた2000万円と合わせた5000万円でセミリタイア生活を送る日々とか。
佐々木さん

移住後は東南アジア各地への小旅行を楽しむ佐々木さん。「1日3000円程度の貧乏旅行なので日本での生活費より少ない」とか

「漠然と海外でのリタイア生活に憧れがあって、遺産を手にしたことで東南アジアでも物価が安く、インフラが整っているプノンペンなら可能だと思ったんです」  月々の生活費は住居費込みで10万円。その分は実家マンションの家賃収入の5万円、これに1年定期5.5%の現地銀行に1200万円を預けた金利で賄っている。 「税金や保険、年2回の帰国費用など、年間100万円ほどの出費はありますが、日本株の運用益などもあるので、資産自体はあまり減っていません。物価の安いカンボジアやタイあたりなら満足度の高い暮らしができますよ」  柏木氏も佐々木さんのように物価安で、銀行金利の高い国で資産運用をしながら暮らす生活を「将来的な老後のライフプランの一つになりうる」と話す。 「親世代のほうが今の40代よりも経済的に恵まれています。アテにしすぎるのは禁物ですが、生きているうちから少しでも援助してもらいましょう。そうすることで老後の負担が軽くなります」  かじれる脛がある人は、今のうちにかじっておくべきか。 <取材・文/週刊SPA!編集部> ※10月3日発売の週刊SPA!10/10・17合併号「そこそこ明るい“逆説”ニッポンの未来」特集より
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表紙の人/ 広瀬すず

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