更新日:2017年11月15日 17:13
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激安羽毛布団の良し悪しを簡単に見極める方法【元ふとん屋が教えます】

さらに「ダウンの臭い」までチェックすべし!

 ところで、あえてここまで触れずにきたのですが、ニオイの問題を最後に。  ダウンのニオイを抜くのは難しいです。どれだけやっても完璧はありえないし、ダックダウンは特にニオイが強いのでなおさらです。だから対策はホドホドに留め、獣臭を気にしない消費者だけを対象にしている商品も多いです。  そこで各店のニオイチェックもしておきました。  まずA店。ここは完全に対策を捨てていました。売り場に近づいた段階で既にダウンのニオイが襲ってきます。これは厳しい。  次にB店。売り場に近づいてもニオイはしない。展示品の羽毛ふとんもしっかり脱臭済み。販売されている商品自体は、袋をそっと開けてみるとニオイはやっぱり……結構強い。持ち帰って家でどれくらいニオイ抜きができるかだけど、リスクであることは間違いない。  最後にC店。ここの売り場もニオイはない。展示品のみならず商品の袋を開けてみてもニオイは弱い。ダックダウンなのにかなり刺激が薄くなっていて大したものです。  また、気になったので売り口上を確認していたら、C店のはダウンを国内洗浄しているんですね。これならニオイが余り気にならないワケだと妙に納得しました。  実は原毛の価格が急騰した10年くらい前から、国内洗浄を行なうメーカーはほぼなくなりました。なぜかと言えば、洗浄はあまり売りにならない(と思われている)うえに、とても手間とお金が掛かるからです。  ところが原毛はナマモノなので、ちゃんと日本で洗ってあげないと本当はいろいろマズイんですね。その理由とかを話し出すと非常に煩雑になるので控えますが、やるとやらないでダウンの質には雲泥の差が生じると考えていいです。  今回はC店が1万9800円の羽毛ふとんでハイグレードばりの国内洗浄を行なっていることにびっくりしました。3店舗を廻ってみましたが、激安羽毛ふとん勝負はC店の優勝ということにしたいと思います。  もちろん、この3店舗は一例ですが、買う際の基準としては参考になると思います。皆さんもこれから羽毛ふとんの購入を検討される場合、価格帯にかかわらずダウンが洗われているか気にしてみてくださいね。「産地で洗ってます」などと返ってくることもあると思いますが……重要なのは国内か否かです! 【大野悦史】 元寝具店経営者。都内で十数年ほど寝具店を経営し、その後は寝具コンシェルジュとして活動中。最新寝具のレビュー情報や睡眠豆知識を紹介するブログ「寝具の情報・ニュースまとめブログ」も運営している。
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