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「あの素晴しいママをもう一度」なぜ人はオヤジになると女性を“ママ”と呼びたくなるのか――コラムニスト木村和久

 それでは実在した伝説のママってどんな感じでしょうか。作家の山口洋子さんは元女優で銀座の有名クラブ「姫」のオーナーママでした。作詞も手掛けプロデュースもやっており、五木ひろしを売りだした話は有名です。よくお店にいらっしゃる「五木寛之」先生の名字を頂いたというのですから、全てがハイクラスな話ですね。  オーナーママクラスは経営者ですから、会計のときに挨拶しにやって来るぐらいで仕事が成り立つのです。  ママに見染められたスポーツ選手もいます。有名な二世選手を銀座のママが口説いたというから、恐れ入ります。どう口説いたかというと、何回目かの来店でママが自分の家にお持ち帰り。そしたらそのマンションの一室にその選手用のサイズの服がフォーマルからカジュアルまで、一式全部揃っていて、「ここから仕事に通えば」と言ったそうな。その選手もおおらかな人で、しばらくそこを生活の拠点にしていたそうです。いやあ豪快ですなあ。  とは言っても、現実的にはママになれる方はごく一部で厳しい世界と言われています。熟女パブなどに行くと、ママになりそこねた40歳ぐらいの女性が接客してくれます。きっと昔はブイブイ言わしてたんだろうなあ。 「キャバ嬢のころは、みんな若くて夢を持っていた、なのに40代になって、この違いは何よ。同期は銀座でママをやっているのよ」  そう叫ぶ気持ち、お察しします。やはりママになれる方は色気や美貌もさることながら、戦略があって、お客さんや後輩に慕われないと。  現実的にいうと、我々が理想とするママ像はハイボールのCMに出てくる井川遥さんですよね。高級クラブにそんな雰囲気の方はいますが、あの設定はあくまでカウンターバー。ママひとりで切り盛りしているのです。だからサラリーマンの小遣いで行けて、いつも会えるのが嬉しいじゃないですか。客は単純だから「抜け駆け禁止だぞ~」と誓い合っているので、なかなか休めない。だから毎日行ってしまうって、店の思うつぼじゃん。  でも、大雨の日なんか誰もお客が来ず、「今日はお客さんが少ないからお店閉めて2人で飲みましょうか」なんて、言ってくれるのを待っているのです。 「わ~今日は嵐の日だ。チャンス到来」  喜び勇んで行ってみると満員御礼。客はみんな、同じことを考えていたようですね。  そんなわけで、世の中の男どもはみんなママが好き。そして「ママに始まり、ママに終わる」のが、男の人生ってものです。さあみんな、永遠のママを探そうではありませんか。 「あの素晴しいママをもう一度」なぜ人はオヤジになると女性を「ママ」と呼びたくなるのか
木村和久

木村和久

■木村和久(きむらかずひさ)■ トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦。著書に『50歳からのかろやか人生』
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※ちなみに、本連載をまとめた「50歳からのかろやか人生」(雷鳥社・3月9日発売)では、このような水商売の面白話が、テンコ盛りです。よろしかったら読んでみてください。

50歳からのかろやか人生

体は枯れても頭の中は未だ現役気分、コラムニスト木村和久が贈る そんなバブル世代(50~60歳)へ向けた老後生活の道しるべ





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