雑学

時代遅れの校則が残り続ける理由――生徒を支配する人権意識の薄い教員も

大人の社会では「働き方改革」、セクハラ撲滅運動の契機となった「♯MeToo」など、古い価値観から脱却しようとする兆しがあるが、学校はいまだに旧態依然のブラックボックス。暴力教師やブラック校則のヤバい実態を明らかにする。

人員不足で教師に権力が集中する


学校 評論家の荻上チキ氏が携わる「ブラック校則をなくそう!」プロジェクトには、学校における人権無視の規則や不合理な慣行の事例が多く寄せられている。

「今の時代、文房具は100円ショップで、ジャージはアマゾンやメルカリなどで安く買うことができます。なのに学校指定の高額な教材や用具を購入させるケースがまだ多い。これは、おかっぱ頭や坊主頭の強制と同じく、戦前の教育の名残でしょう」

 すでに戦後70年が経過。そんな大昔のルールは、今の時代のニーズに合わせて見直せないのか。

「学校を取り巻く地域社会には、OBたちがやってきたように現役の生徒たちも振る舞うべきだと考える層が一定数います。彼らの要望は無視できないし、なにより学校や教師は変化を恐れます。変えたことで問題が発生したとき責任を負わされるのが怖いのです」

 かくして誰もがおかしいと感じる不合理なルールが生き残る。そしてそこに、ある種の教師による理不尽な指導が掛け合わされたときに、悲劇が起きるのだ。

「一部教師には、先生は生徒を支配していいと考える人権意識の薄い人がおり、一般社会ではありえないことを学校教育内でやる。彼らは全員に同じことを求め、逸脱した人間だけを指導するので暴走しがちです。大勢の生徒が見ている前で叱ったり成績を発表するなどの“羞恥刑”は典型例でしょう。今の時代、もし企業だったらパワハラ事案ですよ」

 全体管理が特定の生徒のつるし上げに繋がりやすい以上、教師は個別指導を施すべきだ。それには教師の人員も必要になってくる。

「今の学校のほとんどが担任と副担任体制で教室を管理していますが、私は“担任2人プラスα”体制が望ましいと思います。教師同士が不正をチェックし合う体制をつくり、発達障害の生徒のフォローや家庭の貧困問題をサポートするボランティアを置くべきです」

 ’14年に政府は、スクールソーシャルワーカーを1万人にすると発表したが、いまだ進展はない。

【荻上チキ氏】
ニュースサイト「シノドス」編集長。著書に『ネットいじめ』(PHP新書)、『すべての新聞は偏っている』など多数

取材・文/岡田光雄・野中ツトム(清談社) 高島正俊 建部 博 西谷 格 撮影/時永大吾
― 常識崩壊する学校が危ない! ―


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