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自衛隊の緊急参集要員が確保できない!? 原因は公務員宿舎の削減



 自衛隊は現在、有事や災害派遣などの即応態勢を強化するために緊急参集要員制度を強化しています。この即応態勢は、それを維持するための部隊や機関の長や各幕僚の隊員、航空救難、緊急空輸、そして、艦艇勤務の乗組員たちなどを対象としています。先に挙げたように防衛省は2万2000人の緊急参集要員が無料官舎に待機できる体制を目標にしていますが、そもそもそんな数で足りるのでしょうか?

 努力目標の2万2000件の緊急参集要員の住宅すら確保できるかどうか難しいというのに、そこで、公務員官舎削減計画なんてありえません。そもそも、秘密保全上にも大きな問題がある防衛省の官舎削減・土地売却を、他の省庁と同列に考えることに大きな問題があるのです。

 米軍は基地内に隊員のための住宅を設けていますし、隊員の家族の利便性を考え、ショッピングモールやゴルフ場、テニスコートなど様々な施設を設けています。遠く離れた外国で暮らす隊員の家族に不自由がないように基地内にしっかりした街をつくっているのです。そりゃあ、そういう充実した環境があれば、この生活を支えてくれる国を守るためにと誇りをもって有事に向き合えるのでしょう。

公務員宿舎の売却を自衛隊にあてはめると緊急参集要員が確保できない?/小笠原理恵

普天間基地

 テニスコートやショッピングモールを作れとは言いませんが、有事にすぐに駆け付けられるための住宅を基地近くに建築し直すか、もしくは民間に住宅を建てさせて借り上げるか。方法はともかく、必要な住宅が足りないなら国が用意するべきですし、その住宅は自衛官が自分の仕事に誇りが持てるようなものであるべきなのです。いちいち換気扇などを持ち込んだりネズミの穴を修繕するところから始めなくてはならないような住宅では、誇りも未来も感じることができません。

 自衛官は国のために戦う者であり、有事においては守られる立場にはありません。でも、それは有事だけの話です。平時に虐げられる身分であってはならないことくらい、そろそろ国は理解するべきなのです。

 理不尽で不当な扱いを受けても彼らは声を上げることができません。だから私は訴え続けたいと思います。全ての自衛官に、その働きに見合うだけの処遇を。心からそう願ってやみません。<文/小笠原理恵>

国防ジャーナリスト。「自衛官守る会」顧問。関西外語大学卒業後、報道機関などでライターとして活動。キラキラ星のブログ(【月夜のぴよこ】)を主宰
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