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自衛隊の緊急参集要員が確保できない!? 原因は公務員宿舎の削減

「自衛隊ができない30のこと 27」

公務員宿舎の売却を自衛隊にあてはめると緊急参集要員が確保できない? 基地の近くには有事や災害対応などの際に自衛官がすぐに駆けつけられるように緊急参集要員のための官舎が存在します。この緊急参集要員の数は、条件が厳しかった平成25年末にはわずか300名でしたが、国は非常事態にも対処できるように基準を緩和して平成30年までにこの緊急参集要員枠を2万2000人にまで増やす目標を持っています。この官舎は無料で、任務上の必要から希望する隊員も多いのですが、2万2000人程度の枠では収まりきれないため、大多数の隊員は緊急参集要員に登録することはできません。あちこちで「緊急参集要員の登録を申請したが、ふるい落とされた」という声を聞いています。

 陸上自衛隊の場合、通常、結婚前のある階級までの自衛官は基地の中、営内で集団生活をします。その後、営外に住み家族を持ったりしますが、災害派遣や要請に応じて緊急に出動することもあるため、できるだけ基地近くの住宅を探します。緊急参集要員に登録されていなくても、緊急時にすぐに基地に来いと呼ばれるので離れた場所に住むのはNGなのです。

 海上自衛隊の護衛艦なども、緊急参集要員には艦長と主要幹部など数名が登録されていますが、もちろんそんな人数では艦艇は動きません。結果としてほとんどの艦艇乗組員は基地近くに住まないと船は動かないからマズイのですが、驚くべきことに国はそのための住宅を用意していないのです。

 正しく言うと、そういう住宅を作るべく予定をしていたけれど、予算削減の論調の中で建設を中止しちゃったのです。現在ある官舎も老朽化に伴う修繕や建て直しをせず、どんどん人員を退去させて売却しているという状態です。

 土地は一度売ってしまうと利便性の高い場所にもう一度取得するのは難しいのですが、何よりも経費削減と節約を優先する国ですから、そんなことになってしまっているのです。

 だいたい、この官舎削減の方針と緊急参集要員住宅を増やすという話は全く真逆なんです。しかし、国は立地の良い官舎を減らしながら一方では緊急時の隊員の住む住宅を基地近くに確保するという、二つの矛盾した政策を同時に行っているのです。

 基地近くに住めと言われても、その地域の民間の物件が少なくて価格が高かったり家族の人数に合わなかったりすれば、隊員の家族もそんな高いとこに住めないって言いますよね。でも、国がその住宅を保障しないにも関わらず、緊急参集要員以外の隊員たちも基地の近くに住むように言われる。国は認めないでしょうが、自衛官は自分の望む場所に住居を構える自由が事実上制限されています。制度や規則に明記されてはいませんが、基地から離れた場所に住居を持とうとすると、幹部から指導を受けます。時には「自腹で」近い住居に引っ越すように言われるのです。

 それなら官舎を増やして、自衛官の家族が基地近くに住めるように整備すべきなのですが、逆に公務員官舎は修繕もされずボロボロなまま放置され、今あるものもどんどん削減されて土地が売却されているのです。わけわかりません。

 ちなみに、この緊急参集要員に登録された場合、自宅がその付近にあっても別の場所に住むことは許されません。

 ある艦長さんの経験談です。彼の自宅は緊急参集要員住宅からほんの10分。彼に与えられた官舎は家族が住むには古くてボロボロ。だから彼は毎日自宅で食事をとった後、家族の団らんを背にとぼとぼと官舎へと帰って行くのです。

「まるで黄昏の通い夫だ」。家族のいる自宅のドアをそっと閉じ、1人薄寒い官舎に帰っていく毎日はとても惨めだったとのことです。キビシイですね。

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公務員官舎削減計画なんてありえない

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