雑学

自衛隊の官舎などの土地が外国人に買われても止められない現実

「自衛隊ができない30のこと 24」

自衛隊

陸上自衛隊HPより

 驚く方も多いと思いますが、自衛隊には「継続して戦闘する能力」はありません。なぜなら、領土を侵略された場合でも、最初の数週間から1か月程度戦闘して持ち堪えていれば、日米安保に基づいて在日米軍が戦ってくれることを大前提とした編成になっているからです。最初から短期間の戦闘しか想定していないのです。

 だから、大量の武器弾薬を在庫に持つこともありませんし、洋上に燃料や武器や食料などの消耗品を運んで戦闘を継続させるために十分な補給艦や輸送のシステムもありません。平時の現在でも補給艦は大忙しですし、補給艦には戦場で身を守る武器も装備されていません。また、長期戦闘のために隊員が交互に休息をとって戦うための交代要員も持っていません。「疲れたら交代して休息をとり、再び戦闘に戻る」という発想自体がないのです。そもそも米軍が助けてくれなければどうにもならない――日本の自衛隊はそんな重大な問題を抱えたまま、現在まで来てしまいました。

 さらに、近隣諸国があからさまに我が国の領土、領海に野心を示し、ミサイルが我が国の上空を飛び交うような事態になった今日でさえ、自衛官の数は減り続けています。予算はほぼ微増にとどまり、長期にわたって国を守るための備蓄や増員をする気配は見受けられません。今なおすべてが米軍頼みなのです。もし日米同盟が機能せず、在日米軍が我が国を守るために戦ってくれなかったらどうなるのでしょうか。

 自衛隊が本気で継戦能力を持ち自力での自国防衛を可能にしたいと考える場合、旧日本軍から受け継いだ土地はとても重要になってきます。しかし、終戦以来、旧軍の演習場や駐屯地は切り売りされ、現在の陸上自衛隊は訓練場所、平時の駐屯場所にすら不自由しているありさまです。演習場が不足して時間をかけて遠くまで行かざるを得ず、訓練時間が長くとれないことも問題になっています。

 また、基地近くに家族と住める官舎などを作れば、非常時にもすぐ参集することができるのですが、近年では自衛隊の持つ官舎は廃止される方向にあり、保有している土地もどんどん売却されています。民主党時代の「国家公務員宿舎の削減計画」などの国家予算のコストダウン計画に基づいて、自衛隊まわりの土地も他の公務員住宅と同じように売られてしまっているのです。

 国有地は一度民間に払い下げられてしまうと再度取得することはほぼ不可能です。さらに、払い下げの場合は競売にかけられますが、競売には外国人も参加できますから、外国人もその土地を買うことができます。自衛隊は行政組織という扱いですから、自衛隊の持っていた土地についても、他の行政機関の所有地と同じ扱いで売られてしまうのです。

 自衛隊の基地近くの土地が外国人に買われてしまった場合、そこを拠点に自衛隊の動きを監視されるおそれがあります。また、自衛隊員がたくさん住んでいた官舎だった土地の周りでは、関係者が多く住んでいる土地ですからいろいろな情報を収集することもできます。隊員の個人情報などを取集するにはもってこいです。これが有事になったらどうなるか。そういった懸念があるので、佐藤正久議員などが「安全保障と土地法制に関しての特別委員会」を作って問題を調査しているのですが、残念ながら対策は後手後手に回っていると言わざるを得ません。

 緊急事態で集まらなければならない時に、事務官を含む自衛隊員が基地から遠くにばらばらに住んでいたら、インフラが壊れていれば短時間に集まることも連絡を取ることもできなくなります。非常時には携帯電話が使えるなどと考えてはいけないのです。だから何かあった時には歩いてでも連絡がとれるように、軍の構成員は基地近くに固まって住むべきなのです。

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我が国では安全保障より国のコスト削減のほうが重大

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