ひざ丈のバギーパンツがおしゃれに見えるわけ
【モードをリアルに着る!オム Vol.8/小林直子】
2018年春夏のディーゼルブラックゴールドのコレクションは、「テクノ・グランジ」というスタイルの提案でした。ビッグシルエットのアイテムを重ね、スポーツウエアをミックスさせたストリートスタイルは、今後のメンズウエアの主流となるものです。
つい先日も、ルイ・ヴィトンのメンズのクリエイティブディレクターに、オフ・ホワイトのヴァージル・アブローが抜擢されましたが、このことが意味するのは、これからのメンズウエアのトレンドの主流はストリートウエアであると老舗のメゾンが宣言した、ということです。トップはもうそちらへ舵を切ってしまったので、下流に位置するブランドへ影響が出るのはもう時間の問題です。
では、ピックアップしたこのルックを見ていきましょう。コレクション全体がそうなのですが、シルエットは大き目、つまりビッグシルエット。スポーツウエアに影響を受けた、というか、そのままスポーツウエアのシャツとブルゾンに、ひざ丈のバギーパンツ、その下に革のレギンスというスタイルです。そしてこのスタイルの肝が、このひざ丈のバギーパンツとスキ二―タイプのレギンスというバランスです。
ビッグシルエットで難しいのは、服の分量ばかり多く、ともするとメリハリに欠けるという点。またバランスが悪いと服が歩いているような感じになってしまいます。ですからどこかでしまるポイントを作らなければなりません。
ひざ丈のバギーパンツをはく場合、そのほか考えられる足元は素足に靴、もしくはソックスと靴でしょう。これは好みの問題なので、どちらがいいとか悪いとかは言えませんが、私が今最もかっこいいと思うのはバギーパンツにレギンス、もしくはハイソックスというスタイル。より強くスポーツやアウトドアのテイストを出すには、ソックスに靴をはいて、部分的に肌を見せるのではなく、タイツもしくはレギンス、またはハイソックスに靴をはいたほうがより効果的であり、今の雰囲気を表現することができます。
ディーゼルブラックゴールドのコレクション全体を見ると、このバギーのハーフパンツにレギンスというボトムに対して、革ジャンとチェックシャツを合わせたり、コットンセーターとアウトドア風のフィールドジャケットを合わせたりと、とにかくボトムだけ押さえておけば上は何を合わせてもOKだと言わんばかりです。
流行で重要なのはまずシルエットであり、全体のバランスです。ですから全体のバランスがそれ、つまり今回の場合はバギーのハーフパンツにレギンスで表現できるなら、アイテムや重ね方にこだわる必要はないわけです。
メンズのトレンドはストリートウェアで決まり
ひざ丈のバギーパンツと何を合わせるか?
1
2
ファッション・ブロガー。大手ブランドのパターンナー、大手アパレルの企画室を経て独立。現在、ファッション・レッスンなどの開催や、ブログ『誰も教えてくれなかったおしゃれのルール』などで活躍中。新刊『わたし史上最高のおしゃれになる!』は発売即重版に。新刊『お金をかけずにシックなおしゃれ 21世紀のチープシック』が発売中
記事一覧へ
記事一覧へ
『わたし史上最高のおしゃれになる! 』 ◆一生ものの知識を身につければ ◆もう服選びで迷わない 「おしゃれ」はひとつの技術にすぎませんが、あなたの人生を最高のものにしてくれるパートナーでもあります。一緒に学んで「わたし史上最高」を目指しましょう。 |
この連載の前回記事
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ