仕事

メモをとれば過去と未来がわかるようになる〈魂が燃えるメモ〉

 人はよく行動を重視しますが、行動だけでは成長しません。行動と結果、その体験全体について、「自分がどう感じたのか」を反芻をしたときに、初めて自分にあった固定観念が書き換えられます。「楽しかった」「面白かった」「凄かった」というのも人に伝える時はストレートでいいかもしれませんが、人生や自分自身について理解したいのならば、もう少し踏み込む必要があります。  体験から感想が生まれれば、その感想を元にしてさらに別の感想が浮かんできます。いわゆる連想です。しかし、この思考は矢継ぎ早に行われ、しかもあっという間に忘れ去られてきます。失われる前に、掴み取るためにメモがあります。  しかし、私たちは自分の思考をないがしろにしています。「自分のことくらい自分でわかっている」という思い違いをしているからです。だからこそ深刻な問題やトラブルが生じたときに、「自分がどうすればいいのかわからなくなった」とうろたえてしまいます。それは「自分がわからなくなった」のではなく、「最初からわかっていなかった」のです。  未来は誰にもわかりません。でも、一つだけわかるようになる未来があります。それは自分の選択する未来です。私は母親の影響を受けて、紅茶をよく飲みます。だからもし喫茶店に行けば、コーヒーではなく紅茶を頼みます。これは非常に限定的ですが、自分の未来がわかっているということです。わかりやすい例としてドリンクの好みを挙げましたが、これは自分がどう生きるのか、どう生きたいのかという根源的なレベルまで遡れます。人は感性や好みに従って、友人や伴侶や職業や趣味や住居を選択しているからです。  相談業を通して色々な方の悩みをよくよく伺っていくと、人は正解など求めていないのがわかります。人生がいつでも上り調子なんてことがありえないと、重々承知しているからです。私たちはただ自分が納得して歩める道を、「これが私だ」と自分の過去と未来を抱いて進んで行ける生き方を求めています。そして、それを自分の思考や感情を書き留めることによって発見できるのが、現在だけに終始する方法論にはないメモの魅力です。 佐々木
コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中

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