仕事

「日経新聞を読む」と「アート鑑賞」どっちを優先すべき?

いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第276回
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写真はイメージです

美輪明宏が俳優として活躍できたワケ

歌手の美輪明宏は俳優としても有名です。美輪明宏は劇作家の寺山修司が彼のために書き上げた『毛皮のマリー』や、江戸川乱歩の原作を三島由紀夫が戯曲化した『黒蜥蜴』などで主演を務めました。 銀座にあったシャンソン喫茶『銀巴里』で歌手デビューした美輪明宏は寺山修司や三島由紀夫だけでなく、吉行淳之介、川端康成、大江健三郎、遠藤周作といった様々な文化人と交流がありました。俳優としての活躍もそうした人々との交流がきっかけになっています。 なかでも印象的なのが江戸川乱歩との出会いのエピソードです。江戸川乱歩のファンだった美輪明宏は「明智小五郎ってどんな人?」と江戸川乱歩に質問しました。この質問に江戸川乱歩は「斬ると青い血の出る男だよ。君は斬ると何色の血が出るんだい? 試しに僕が斬ってみようか」と答えました。

礎は「文化」

この言葉に対して美輪明宏は「およしなさいまし。斬ると虹色の血が出て、お目が潰れてしまいますよ」と答えました。この答えを江戸川乱歩が気に入り、二人の交流は始まりました。この時について、美輪明宏は次のように話しています。 「出会うだけなら、私と同じように彼らと出会った人はたくさんいるのです。現に私が江戸川乱歩氏と出会ったその日、友人も一緒にいましたし、同席していた人も大勢いました。でも、みんなそこから関係が進んでいかなかったのです」 他の人たちと違って、自分が交流を深められた理由を美輪明宏は「文化」だとしています。彼は歌手としてデビューした16歳の時にすでに、文学、絵画、音楽、演劇といった文化全般を愛好していました。だからこそ、文化人たちはそれに驚き、自分のファンになってくれたのだと分析しています。 ビジネスパーソンには「上司や顧客と共通の話題を作るために日本経済新聞を読む」という話がありますが、美輪明宏の場合は文学、絵画、音楽、演劇といった文化が共通の話題になっていたのです。
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人を繋ぐのも「文化」
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コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中

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