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ハプニングバーの摘発逃れ策、懲りない客たち…元スタッフが明かす

店はどんな摘発逃れをしているのか

 店は鉄の扉を入ると、さらに扉がある二重構造。その扉を入ると、カウンターがある。そこで男女が意気投合したら、奥にある部屋に入る仕組みだ。奥の部屋はカーテンでいくつかに仕切られているが、申し訳程度。いつでも覗けるようになっている。 「緊縛できるように天井にはフックがついています。緊縛とかフェティッシュ系、全身タイツに身を包むゼンタイとか、定期的にイベントを開催して顧客を集めていましたね」 バー 警察は、摘発する前に客を装って潜入することもあり、それを防ぎたい店側との攻防があるという。 「身分確認は、店の扉の前で行います。インターホンを鳴らすと来客の姿がモニターに映るので、そこでまず様子をチェックします。カメラに向かって身分証明書を出してもらい、詳細を確認します。身分証明書を2種類出してもらい、職業を判断するんです。写真付きのもの、社員証か免許証と、保険証が一般的ですね。警察の場合はまず国民健康保険ではないですし、保険証を見ればそれとわかるんです。  警察の場合は男性2名で来ますから、怪しい2人組みが来た場合は、店長が先に見に行くことになってます」

3分以内で正体を隠す研修

「もし警察だった場合の対処も研修で習うんですよ。店長が外からインターホンを鳴らすので、そうしたら店員が3分以内に店内を片付けるんです。脱いでいる客には服を着てもらい、ゴミを隠す。  カラミのスペースにはテーブルを出して、仕切りを取り外す。意外とやってみると3分以内にできるものだなと思いましたね」  しかしBさんは店長とそりが合わず、半年ほどで退社したという。 「今は昼間に普通の営業をしていますが、機会があったらまた戻りたいですね。時折、女性から誘われることはありましたが『仕事中です』と言って断ればいいし、気に入った相手なら店外で会えばいいし(笑)。とにかく刺激的だったんで、毎日楽しかったですね」  たとえ違法だとしても、性の奥深さを知った人間はその沼から這い上がれないらしい。<TEXT/和久井香菜子>
ライター・編集、少女マンガ研究家。スタッフ全員が何らかの障害を持つ会社「合同会社ブラインドライターズ」代表。著書に著名人の戦争体験をまとめた『わたしたちもみんな子どもだった 戦争が日常だった私たちの体験記』(ハツガサ)などがある
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