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本田圭佑は中村俊輔になれるのか? サッカー日本代表の浮沈を左右する本田の立ち振舞い

本田圭佑は中村俊輔のようにプライドを捨てられるか?

 では、果たして本田圭佑にそれができるのだろうか? 疑問に思う人も多いはずだ。日頃のメディアへの強気な発言や自己主張の強い性格から、本田が裏方に徹する様子は確かに想像しがたい。

本田は中村のようになれるのか?

 だが実を言うと、本田はある大一番で献身的な姿勢をすでに見せていた。日本がW杯出場を決めたアジア最終予選第9戦、ホームでのオーストラリア戦だ。この大事な一戦でスタメン落ちした本田は交代で起用されることもなく、90分間をベンチで過ごした。試合の終盤2点リードの場面で、本田は近くに来たCBの昌子を呼び寄せ水を手渡しながら声をかけた。 「“ディフェンスはこのままで良いから、自分がボールを持ったときに味方に繋ぐところと前線にクリアするところの判断だけははっきりやれ”と言われました。あと、“今日のお前のディフェンスはめっちゃ効いてるからこのまま続ければ大丈夫! 自信持ってやれ!”と。やっぱりベンチにいるだけで安心感がありますし、あの声掛けのお陰で改めて気合が入りました。やはり存在感が違うなと思います」(昌子源)

昌子源

 経験の浅い昌子にとって、今回が初の最終予選であり、ましてや本大会出場が掛かった大一番のピッチに立つのは初めてのことだった。極限のプレッシャーの中で、本田の言葉は昌子の背中を強く後押ししたのだ。試合後、出場が無かったことに関してハリルホジッチ前監督に不満を訴えたと伝えられているが、少なくとも試合中においては、本田はチームのために戦っていた。それは紛れもない事実だ。  ベンチで仲間を鼓舞し、ともに喜び、悔しがり、咆哮する。ピッチ内の仲間とともに戦う姿勢こそ、今の本田に求められている姿だ。常に「自分が試合に出て勝たせる」というスタンスでいた本田が、「たとえ自分が出ていなくてもこのチームを勝たせたい」という姿勢を見せられれば、周囲の選手たちへの影響力は計り知れない。  孤高の男・本田圭佑は、いい意味でプライドを捨て去ることができるのか? 案外これが、日本代表の行く末を大きく左右するポイントになるかもしれない。 <取材・文/福田 悠 撮影/難波雄史>
フリーライターとして雑誌、Webメディアに寄稿。サッカー、フットサル、芸能を中心に執筆する傍ら、MC業もこなす。2020年からABEMA Fリーグ中継(フットサル)の実況も務め、毎シーズン50試合以上を担当。2022年からはJ3·SC相模原のスタジアムMCも務めている。自身もフットサルの現役競技者で、今季は神奈川県フットサルリーグ1部HONU(ホヌ)でゴレイロとしてプレー(@yu_fukuda1129
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