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自衛隊で取った資格は外ではつかえないことが多い!? パイロットも船も…米軍では有効なのに

自衛隊での技術がそのまま免許とみなされるわけではない

 パイロットだけではありません。自衛隊の船の航海や機関・運用などの技術は、自衛隊内でしか使えません。海上自衛隊の艦艇乗組員が退職後に船の仕事をしたいと考えると、そのための免許を新たに取得しなければ船に乗れないのです。
防衛省 海上自衛隊Facebookより

防衛省 海上自衛隊Facebookより

 日本では水先案内人の高齢化が問題になっています。たくさんの多数の船が行き交う大きな港や海峡や内海で、その海域に不案内な外航船や内航船の船長さんたちを補助する仕事です。安全で効率的な航海のための専門家で、必要不可欠な仕事です。この仕事に就くためには日本では水先人免許(国家資格)が必要です。海上自衛隊の艦艇勤務の人たちにはその仕事に精通している人も多いのですが、それでも免許取得が必要です。近年、制度が緩和され、海自の大型艦艇の艦長経験者には、海技免状が無くても海技大学校の水先案内人課程への入校する門戸が広がり、最終的には海技免状もとらなければならないものの、最短1年ほどで水先案内人になれるよう条件緩和されました。それでも自衛隊での技術がそのまま免許とみなされるわけではないのです。  他にも自衛隊内には電気の技術やボイラーの技術、エンジンや通信の技術などを教わる学校があります。そこで受けた教育で実際に仕事をし、一定の技術力を身につけるわけですが、それも民間での免許や資格とはならないことが多いのです。  任期制自衛官という雇用形態があり、定年も早いのに、自衛隊内での技術が退職後の就職に使える免許とならないのでは安心して仕事ができません。  自衛隊内の術科学校でも一般の免許がとれるよう、制度変更するべきと思います。ある一定期間で退職する自衛官が外で使える免許を持っていれば、その技術を社会に即還元できます。せっかくの技術習得が自衛隊外では免許としての価値を認められないなどというのでは、頑張った隊員たちが報われません。自衛隊での技術が免許や資格として自衛隊外でも通用するのであれば、自衛隊で技術習得に励むモチベーションも上がるはずです。  多くの自衛官の定年退職は53歳から56歳と若いため、定年から年金がもらえるまでの生活を考えると、自衛隊内で培った技術が定年後の元自衛官の生活を支えることができます。米軍のように軍で使う免許はすべて外でも同様に使えるようにすれば、隊員の士気は上がり技術が社会に還元され、経済の活力にもなります。自衛隊員の老後の生活が安定していれば、自衛官になりたい人も増えるはずです。自衛隊と民間の免許制度についての調整は国益にもかなうと思うのですが、いかがでしょうか。<文/小笠原理恵>国防ジャーナリスト。関西外語大卒業後、広告代理店勤務を経て、フリーライターとして活動を開始。2009年、ブログ「キラキラ星のブログ(【月夜のぴよこ】)」を開設し注目を集める。2014年からは自衛隊の待遇問題を考える「自衛官守る会」を主宰。自衛隊が抱えるさまざまな問題を国会に上げる地道な活動を行っている。月刊正論や月刊WiLL等のオピニオン誌にも寄稿。日刊SPA!の本連載で問題提起した基地内のトイレットペーパーの「自費負担問題」は国会でも取り上げられた。『自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う』(扶桑社新書)を上梓

自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う

日本の安全保障を担う自衛隊員が、理不尽な環境で日々の激務に耐え忍んでいる……

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