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海外のキャバクラで働く日本人女性たちの素顔

海外のキャバで働く日本人キャバ嬢の素顔

 では、実際に働いている女性はどんな女性なのだろうか。香港の日本人キャバクラで働くサユミさん(仮名・30歳)は、自身のことを“渡り鳥キャバ嬢”と呼ぶ。 「北陸の出身で、高校を出てから大阪、名古屋、東京で風俗嬢をして、最後は沖縄のちょんの間で働いてました。海外のキャバに行ったのは、ホストにハマってできた借金。いろんなとこ行ったから、アジア? 行く行く! みたいなノリでした」  タイ、カンボジア、ベトナムなどアジア圏のキャバクラを放浪するように渡り歩いた。 「一度日本というか、沖縄に戻って本島や離島のスナックで働いていたこともあるんですが、フラフラ~ってアジアのキャバに戻るというか行っちゃうんですよね」  沖縄からタイや香港に格安航空が飛んでおり、1万円以下で行くこともできるので、沖縄は立地的には抜群なのだという。また、サユミさんのようにさまざまな国のキャバクラを放浪するようにして働くキャバ嬢は多く、アジア圏ではそうしたキャバ嬢のネットワークができており、お店の情報や入店の誘いが来るのだという。ビザの関係もあり、サユミさんのように数か月単位で働いて去っていくキャバクラ嬢は多いのだとか。 「香港のセット料金は今、600香港ドル(約8500円)まで下がって、女のコの時給も安くなったんです。シンガポールは時給も高くて日給で1万円くらい稼げるけど、物価も高いからお金が貯まらない。そろそろ日本で昼間の仕事を探そうと思ってます」  アジアの華やかな夜と、日本の憂鬱な日常の狭間でサユミさんは頭を悩ませている。  続いて話を聞けたのは、タイ在住のミクさん(仮名・28歳)だ。ミクさんの本職はヘアメイク・ネイリスト。いわゆるアルバイト日本人キャバ嬢である。 「バンコクが好きで移住して、美容院で働いていたのですが、給料が安くて退職したんです。ネイリストの資格も取って独立したんですが、生活は厳しくて……。苦しい月は1か月で2万バーツ(約6万7000円)くらいの収入しかないんです」  少しでも生活の足しになればと、ミクさんはお水の世界に飛び込むことになった。だが、現地在住のミクさんにとって、日本人キャバクラは予想外の好待遇だった。 「日本から派遣されてくるコは、寮に住むので給料が低いし、勤務時間や日数の縛りがあったりして、けっこう大変なんですよ。でも、現地採用のコは寮費がかからない分、時給も高くて出勤時間や日数も融通が利くんです。派遣のコは経費を引くと時給は300バーツ(約1000円)くらいですが、私たち現地採用は500バーツ(約1750円)でスライド式に上がっていきます」  ミクさんは二足のわらじをはきながら、タイでヘアメイクとして独り立ちする日を夢見ている。 ※金額は当時のレートです。 【カワノアユミさん】 東京都出身。ライター。タイやカンボジアなどの日本人キャバクラで働いた経験を基にした著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が話題になる ― 世界で活躍する[お水なオンナ] ―
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底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる

やる気ゼロ、貯金ゼロ、計画性ゼロ。ポンコツキャバ嬢による、タイ、香港、シンガポール、カンボジア、ベトナムの「日本人向けキャバクラ」潜入就職&アジア夜遊び放浪記。

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