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元・巨人のキャプラー監督に“人身売買”疑惑。FBIがドジャース他の“選手買い”を捜査

 ポストシーズンに入り盛り上がりを見せるMLBに、衝撃的なニュースが飛び込んできた。

 キューバやベネズエラ、ドミニカなど中南米の選手を獲得した際に、連邦海外腐敗行為防止法違反の疑いがあるとして、複数の球団と関係者に対して司法省とFBIが捜査を開始したのである。当該選手の出身国の行政機関に対して、裏のルートからワイロを渡していた、という疑いである。

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ドジャースは犯罪とわかって選手を“買って”いた?


 捜査対象の中に、かつて読売ジャイアンツでプレーし、現在フィラデルフィア・フィリーズで監督を務めるゲーブ・キャプラー氏(43)の名前もあったことが波紋を呼んでいる。キャプラー氏が2014年から2017年の間に育成担当ディレクターを務めていたドジャースが、この問題に最も深く関与していると言われているのだ。

 10月2日、スポーツ誌「スポーツ・イラストレイテッド」が口火を切り、NBCスポーツフィラデルフィア支局を始め、地元紙「フィラデルフィア・インクワイアラー」などが立て続けに報じた。

 現役監督への疑惑もさることながら、驚くべきは、2015年の時点でドジャースが現地スタッフの犯罪行為を認識していた点だ。インクワイアラー紙によると、取引に関する“犯罪度”を1から5にランク分けするドジャース独自の調査を行った結果、5名の行為が“犯罪そのもの”に該当したというのである。つまり、中心となってヒトとカネの取引をまとめていたわけだ。しかも、ドジャースはそれを知りつつ、表沙汰にしなかった。

 さらに衝撃的な報告もある。ドジャースが中南米の各国で、マフィア流に細分化された組織を築いてると報告されているのだ。もしも疑いが事実だとすれば、ドジャースは国際的な犯罪のシンジケートとなり、それを管理していたのがキャプラー氏という形になる。

ドジャース もっとも、移籍にまつわるスキャンダルは今回が初めてではない。昨年にはアトランタ・ブレーブスが規則違反を犯し、選手に裏金を渡していたとしてMLBから制裁を課せられているし、2016年のボストン・レッドソックスも似たようなケースで問題となっている。

 だが、ドジャースとキャプラー氏の場合は事情が異なる。極めて計画的かつ組織的な“人身売買ビジネス”の様相を呈しているからだ。

 一連の報道に対して、今のところドジャース、キャプラー氏の双方はコメントを発表してない。いずれにせよ、捜査の行方を見守りたい。

「I Love L.A.」と奴隷商人の歌


 ところで、そのドジャースがホームスタジアムで勝利した際に流れる曲をご存知だろうか? 『トイ・ストーリー』や『モンスターズ・インク』などの映画音楽で知られるLA育ちのソングライター、ランディ・ニューマン(74)の「I Love L.A.」だ。前田健太投手(30)の登板試合の中継で、<I Love L.A.>というフレーズに観客が“We love it!”と叫ぶのを見たことがあるかもしれない。


 だが、今回の一件でニューマン氏の別の代表曲を思い出してしまうから、なんとも皮肉なものだ。その曲が「Sail Away」。アフリカの黒人をリクルートする奴隷商人が、“アメリカはサイコーだよ。ワインでも飲みながらキリスト万歳って歌ってりゃ毎日が天国。な、だからみんないっしょに行こうぜ!”と言って口車に乗せる様を、皮肉たっぷりに描いた歌である。


 さて、熱烈なドジャースファンとしても知られるニューマン氏なら、この人身売買疑惑をどう見るだろうか? そんな面からも興味がそそられるニュースでもある。<文/石黒隆之>





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