ニュース

梅毒が大流行の理由。気づかずに感染、検査で出ない場合も…

正しい機関で検査をすることが大切

稲垣「実は梅毒検査には2つの種類があります。一つは梅毒に感染して陽性となる梅毒トレポネ-マ自体への抗体検査(TPHA法)、もう一つは実際に体の中にどのくらいの梅毒がいるか、量的指標となる梅毒トレポレ-マ内の脂質(カルジオリピン)に対する抗体検査(RPR法)ですね」 夏目「これは一般的にはあまり知られていないですよね」 稲垣「梅毒トレポレ-マに感染すると今までは4週程度でRPRが陽性になり、その後6週くらいでTPHAが増加するといわれていました。しかし近年は検査技術の発達によりTPHA法の一種のTPLA法など、RPR法より早く陽性となるものもあります。我々は両方の検査の結果と症状を合わせて梅毒の診断を行います。  迅速検査をする場合や、昔の考え方の先生は TPHAのみの検査しか行わない場合もありますが、基本的には両方の結果と症状を加味して感染の有無及び治療の必要性を判断しなければなりません。過去に梅毒の治療歴がある方の場合TPHAは消えずに陽性になってしまうため、感染の強さを示すRPRの値と症状で診断を行います。迅速検査は通常検査よりも感度(梅毒の人が検査で陽性になる確率)が多少低くなることも理解したうえで、迅速検査をするか通常検査にするか判断していただきたいです」  ただでさえ二の足を踏む性病の検査。できることなら安価で簡単な検査にしたいという気持ちはとても分かる。だが、どうせやるならば2種類の検査をしっかり受けておいた方が自分の身を守ることに繋がるのだ。

途中で梅毒治療をやめてしまう人も多い

稲垣「また、最近の感染拡大に伴い『日本性感染症学会』では、症状があったら検査結果も踏まえたうえで早めの治療を検討すべき、という流れに変わってきています。『疑わしきは罰しよう』ということです。梅毒を治療する場合、日本では抗菌薬をまずは4週間毎日、1日3回内服する必要があります。そのため、いざ治療を始めても完治する前に途中で来なくなってしまう方も多くいます。長期間の内服に耐えられない方や、症状が治まり途中で内服を自己中止する方もいます。内服後の効果判定のために再検をアナウンスしますが、来ていただけない方もいるので…。まだまだ感染拡大阻止は厳しいというのが現実です」  途中で治療を辞めてしまう人もいるとは恐ろしい…。ここまで話を聞いて、梅毒をはじめとする性病を広めない方法として、性交渉の際にお互いが検査証を出し合うようにするのが一番だと感じたのだが、やはりそれは荒唐無稽な話なのだろうか。 稲垣「いえ、それが一番だと思います。風俗業に従事している方々及び風俗へ通う客に対して『検査済み』、『完治済み』のような証明書を病院で発行していくこともきちんと考えるべきですね。まずは風俗店で働く方が最低でも月に1度、しっかりと検査を受けるよう義務化にする制度を国で統制できるようになれば、感染拡大は防げるのではないかと感じます」 夏目「そういった方法が一般的になれば、より一層安心で楽しい性交渉ができますよね。あと、性病に関する誤解が多いのが怖いです。感染しても、しっかりと治療すれば完治するんだよと伝えていますが、やはり『検査が怖いから行かない』、『そもそも検査についてよく知らない』という方がとても多いのが現実です。これは男女問わず同様で『陽性が出たらどうしよう…恥ずかしい…』のような感情を持つ場合もとても多いと思います。もし感染している方が検査に来ないと、それだけ感染拡大の危険性が高くなりますよね」 稲垣「また、近年ネットが普及して、情報を得やすい環境になりましたが、間違った情報もたくさんあります。ネット情報を検索し自己完結するのではなく、しっかりと検査を受けられるよう、性病検査がより一般的なものになるようになるようにしていきたいですね」
次のページ 
実際に検査を受けてみた
1
2
3
Cxenseレコメンドウィジェット
おすすめ記事