更新日:2019年10月18日 15:36
仕事

銀座にキャバクラを出店して2年で撤退。経営に失敗してわかった「引き際の大切さ」

なぜ11月に銀座のお店を畳んだのか?

 ここからが本タイトルの「失敗してわかった引き際の大切さ」につながるのですが、店を閉めることで、銀座店の優秀なスタッフたちを、銀座の街に大放出するのは絶対に嫌だと思いました。売上のある女の子はもちろん、能力のある黒服らを絶対に歌舞伎町に全員連れて戻りたいと思いました。  そして、店長と戦略をたてました。  まず、周りの人望があるオピニオンリーダー的な黒服に話をしました。彼がオッケーなら、ほかの黒服に話を持っていく。「アイツが歌舞伎町に行くなら」と、みんな歌舞伎町に戻る意志を固めてくれたのです。  次は女の子。このときも、オッケーしてくれそうなキャストから先に話をして、だんだん歌舞伎町に行くメンバーが増えてきた段階で、難航しそうな子に話をします。この時点で、ほぼ全員が歌舞伎町に行くことが決まっているので、「それなら私も行く」と良い返事をもらえました。  本来、12月末まで銀座店をやるつもりでしたが、しかし年末だと、お客様と女の子、黒服から「キリがいい」と卒業するきっかけを作ってしまうので、早々と店をたたみ、12月1日からスタッフ全員を新宿店に移しました。  おかげで、12月の売上は、昨年の歌舞伎町店と銀座店を合わせた金額と、ほぼ変わらない程度に維持できました。

失敗した姿を周囲に見せるのは「最悪」である

内野彩華

アップスグループオーナーの内野彩華氏。「日刊SPA!」にて【歌舞伎町流「欲望のすヽめ」】連載中!

 銀座に出店したのは、たしかに失敗でした。よく失敗はたくさんしたほうがいいと言います。失敗からメッセージを学び取り、今後に生かす力を身につけることが大事です。  でも、そのとき、まわりに「失敗がバレる」のは最悪。バレないように失敗して、それを克服したあと、後日談として人に話せるのが理想的です。それは、同じ道を踏む人が、失敗を繰り返さないためです。  なぜ、失敗がバレるのは最悪なのか。もうひとつの理由として、人間は、上向きになっている人やモノにだけ興味を持ち、そこに集まってくる習性があり、下がっていくモノ、消えていくモノにはまったく興味を示さないからです。  それから、商売は弱肉強食の世界です。ちょっとでも弱いことを悟られた瞬間に、自分より強い同業や強い内部の人に一瞬で食いちぎられてしまう可能性があるからです。  そういう意味では、今回の私のように「失敗が露呈してしまった」のは、経営者として最悪でした。今思えば、別会社をつくって第三者の店として銀座に出店し、うまくいってからアップスのグループ会社だとすればよかったです。  でも、転んでもただで起きなかったことでよしとして、また「なんか新しいことをやりそうだ」「一緒にいるとワクワクする」「なんか刺激される」と思ってもらえるような会社であり、店になれるようにまた、歌舞伎町で頑張ろうと思います。 <TEXT/内野彩華>
新宿歌舞伎町キャバクラ「アップスグループ」オーナー。株式会社アップス代表取締役社長。津田塾大学卒業。25歳のとき、当時勤めていた外資系IT企業をやめて、歌舞伎町にキャバクラを開業。現在、歌舞伎町にキャバクラを4店舗、銀座にクラブを2店舗展開するまでに。キャバ嬢の育成やキャバクラの立ち上げ、経営改善のコンサルティングなども行い、グループ年商は10億円にもおよぶ。著書『劣等感を力に変える 成り上がる女の法則』が発売中

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