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歌舞伎町のビルで相次ぐ飛び降り自殺。「自分を追い込まない」精神を持つには?

 こんにちは、内野彩華(うちのあやか)です。  新宿・歌舞伎町にキャバクラを4店舗経営する歌舞伎町の女社長。そんな私が野心の大切さを説く、この連載。第35回は「自分を追い込まないためにすべきこと」がテーマです。
東京 新宿 夜景

※画像はイメージです(以下同じ)

 今年に入ってから歌舞伎町での飛び降り自殺が相次いで発生しています。自殺する理由は人それぞれですが、歌舞伎町の場合、ホストクラブの売掛金(お店への借金)が払えなくなったキャバ嬢が、風俗などで勤務し、生活苦とストレスが相まって自傷行為に走るケースが多いようです。  今回は、私の経験談から、なるべく自分を追い込まない生き方についてお話ししたいと思います。

ホストにハマって狂ったキャバ嬢の人生

 シオリ(仮名)は当初、うちのお客様の不倫相手として店に遊びに来ました。  もともと歌舞伎町の「D」というキャバクラで働いていました彼女は、そこである会社経営者のお客様と出会い、付き合うことになります。一度、お店を辞めますが、その代わりに生活費として毎月50万円を受け取っていたそうです。  そのお客様は仕事も忙しく、結婚もしているので週2回程度しか会えません。シオリは空いた時間を使い、ホストクラブにハマるようになりました。  はじめは50万円のうち、家賃と生活費を払って、余った20万円前後を、ホストの交際費に当てていました。  しかし、そこで人気ホストのイクミに出会ったことで、彼女の人生はだんだんと狂い始めていきます。

ホストに毎月100万円を渡している

 イクミはシオリの悩みを全部聞いてくれました。幼い頃からの人生のトラウマ、お客様に対する愚痴、これからの人生に対する不安……。どんなときも自分に寄り添った的確な意見をくれるので、シオリは何かあるとまずイクミに相談し、だんだん彼の意見のみを最優先するようになりました。  やがてウチで働き出し、元いたキャバクラ「D」のお客様を売上折半で連れてくるようになりました。それでもお金が足りないと、シオリは店に黙って枕営業をするようになり、間もなくキャバクラとデリヘルを掛け持ちするようになりました。  やがて枕営業の話が耳に入ると、私は「一体、どんなお金の管理しているのか?」と聞きました。シオリは「毎月、イクミに自分の給料と生活費の合計100万円を渡し、先月の売掛清算と今月の飲み代に使っている。余った分は彼の誕生日のシャンパンタワーの積立に回している」と答えました。  私は本人の意志を信じ、その場では止めませんでしたが、そのうち売掛金がさらに増え、100万円でも足りなくなりました。ある日、シオリは「1か月、旅に出てきます」と言いました。地方に1か月の出張風俗すると300万円もらえるというのです。
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出張風俗から帰ってきた彼女を待っていたのは…
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新宿歌舞伎町キャバクラ「アップスグループ」オーナー。株式会社アップス代表取締役社長。津田塾大学卒業。25歳のとき、当時勤めていた外資系IT企業をやめて、歌舞伎町にキャバクラを開業。現在、歌舞伎町にキャバクラを4店舗、銀座にクラブを2店舗展開するまでに。キャバ嬢の育成やキャバクラの立ち上げ、経営改善のコンサルティングなども行い、グループ年商は10億円にもおよぶ。著書『劣等感を力に変える 成り上がる女の法則』が発売中

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