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’19年夏の参院選が改元後の政治を左右する/古谷経衡

 さて今夏の参議院選挙は、そのような意味での天王山だ。しかも通常の参議院選挙よりもハードルが高い。それは安倍首相の悲願でもある「憲法改正」の発議が懸かっているから。  自民・公明・維新・希望・無所属を含めた「改憲勢力」は現在辛うじて総定員数の3分の2をわずかに「3議席」だけ上回っている(鴻池祥肇参院議員が死去したが、補選は行われないので実質2議席)。もし自民党が次の選挙で5~6席失ってしまうと、追加公認という奥の手を使っても改憲勢力が3分の2に到達することは難しくなる。こうなると悲願の憲法改正は発議自体が不可能となってしまうので、改憲勢力にとっては厳しい戦いとなる。  しかし、本当に激戦になるかは疑問だ。野党側は、立憲民主・国民民主・希望・自由・共産・社民が入り乱れていて、一本化でまとまっていない。参議院の事実上の小選挙区である「1人区」は全国都道府県のうち、実に30を超えるが、全国比例はあまり大きな変動がないので、勝敗はこの「1人区」の行方次第である。自公対野党ならば、野党が少しでも分裂すれば野党候補は負ける。そのため、野党は小異を捨てて大同につくことが必要とされるが、そのような連携がうまくいっているようにはまったく思えない。  立憲民主党の枝野代表は、自党の方針に従えという「踏み絵」を迫り純化路線をひた進んでいるように見える。このような野党側の分裂と不連携は、自公にとってまたとない絶好のチャンス。改選に当たる6年前の選挙で自公は76議席と圧勝した。ここで大敗すれば安倍辞任で一気に政局となるが……、自公は無難に夏を乗り越えそうだ。(ふるやつねひら)1982年生まれ。作家/文筆家/評論家。日本ペンクラブ正会員。立命館大学文学部史学科卒。20代後半からネトウヨ陣営の気鋭の論客として執筆活動を展開したが、やがて保守論壇のムラ体質や年功序列に愛想を尽かし、現在は距離を置いている。『愛国商売』(小学館)、『左翼も右翼もウソばかり』(新潮社)、『ネット右翼の終わり ヘイトスピーチはなぜ無くならないのか』(晶文社)など、著書多数
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