唐揚げ批評も起業も同じ!? SNS時代に人を動かすコンテンツ論
柴田:何回も自分で会社をつくったり、アイデアを出していく中での経験則みたいなところはあります。これまでの常識はこう、っていうのがあるからこそ、他の人が案外やっていなかったりするので。バーンと世の中が変わった時、実は誰も敵がいない状態になってます、ということが起こりうるというか。
突き抜けるためには、逆説的な部分と、タイミングが重要なのかなと思います。それを自分でやりながら学んでいきました。あとは、本人がこだわりを持っていないと、上手くいかなかった時にすぐに辞めちゃうっていうのもありますね。
高瀬:自分が強い想いを持っていたのに、否定された時に返しようが無い正論を突き付けられることもたくさんあるよね。そういう経験ってありました?
柴田:あります、あります。企業に勤めていたときは、そういうのもよくありましたね。それは、企業として責任が取れないとか、そういうことだと思うんですけど。
高瀬:でも、それが今のエネルギーになってたりします?
柴田:そうですね。だから、ひとつのアイデアを実現しようとする時は、発案者だけでなく、伴走者みたいな存在もそのアイデアを活かす殺すの鍵を握っているのかなと思っています。アイデア自体に「いいね!」と言わずとも、その人のこだわり・心意気みたいなものは、最低限買ってあげるべきで。「うまくいくために何が必要かを一緒に考えよう」っていうのがあるべき姿。
アイデアを否定したら話はそれで終わってしまいますが、「このアイデアはあれかもしれないけど、お前のそれ、めちゃくちゃいいぞ! 一緒に考えようぜ!」という姿勢がすごく重要だと感じています。
高瀬:おっしゃる通りですよね! 本にも書いたんだけど、今の柴田君のポジションって、近道を教えてあげる役なんじゃないかな。わざわざ通らなくてもいい道だけを教えてあげる役。自分で道をつくらないといけないから、経験したほうが良い道も当然あると思うけど、その塩梅が大事ですよね。ビジネスという遺伝子を継承していく、父親みたいな仕事だよね。
柴田:形として残っていくので、すごく楽しいなって思います。
~第2回へ続く~
【高瀬敦也】
株式会社ジェネレートワン代表取締役CEO。フジテレビのプロデューサーを経て独立。音声と写真のコンテンツプラットフォームアプリhearrの企画やマンガ原作・脚本制作、アイドルグループ、アパレルブランドのプロデュースを手掛けるなど、幅広いコンテンツプロデュース・コンサルティングを行っている。著書に『人がうごく コンテンツのつくり方』(クロスメディア・パブリッシング)
【柴田泰成】
ソラシードスタートアップスタジオ代表パートナー。楽天、リクルートを経て独立。サムライト株式会社を設立し代表取締役を務める(2016年に朝日新聞社に売却)。同時に独立系VCソラシード・スタートアップスの代表を務め、シード投資や共同創業を15社以上実行する
<取材・文/高橋孝介 撮影/Coji Kanazawa 取材協力/恵比寿でですけ>
『人がうごく コンテンツのつくり方』 数々のヒットコンテンツを生み出したプロデューサーの世界一簡単なコンテンツのつくり方 |
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