更新日:2023年03月12日 09:11
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フランスvsアメリカのワイン対決。フランスワイン至上時代に起きた「パリスの審判」

10年後にリターンマッチを開催。しかし…

 さて、パリスの審判では、白が1972~1974年、赤は1969~1973年ものと比較的若いワインが使われました。そこで、フランスは10年後にリターン・マッチを仕掛けます。フランスワインは熟成にこそ魅力がある、というわけです。フランス料理協会は、10年前の同じヴィンテージの同じワインを並べて、テストしました。熟成勝負なので赤だけですが、驚愕の結果に。1位と2位をアメリカが取ったのです。なお、同じ年に世界一の発行部数となるワイン専門誌「ワイン・スペクテータ」も独自に、同じことをしています。こちらも、なんと10本中、1位から5位までをアメリカが独占してしまったのです。

フランス料理協会のリターン・マッチで優勝したのは「Clos Du Val」です。写真は現在のウェブサイトより

 30年後、スティーヴン・スパリュアは同じヴィンテージの同じ赤ワインを使ったテイスティングを開催しました。2006年のことです。なんとこちらも、1位から5位までをアメリカが独占しました。  フランスワインを信仰している人は歯ぎしりしましたが、新世界ワインラバーはガッツポーズです。我々一般愛好者は、どちらにしても業界全体が活気づき、美味しいワインが手ごろに楽しめればハッピーですね。  こんなドラマチックな話題が映画になっていないわけがありません。2008年に『ボトル・ドリーム カリフォルニアワインの奇跡』(原題:Bottle Shock)として公開されました。興味のある方はチェックしてみましょう。
お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「リカーライブラリー」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる
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