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「死を体験したい」20~40代が急増中。一体なぜ?

 終活ブームのさなかで、ひとつの不思議な現象が起きている。それは20~40代の若い世代が「死を体験するイベント」に続々参加しているというもの。終活と無縁の世代がなぜそこへ向かうのか。その現場に足を運んでみた。

’13年から開始した「死の体験旅行」。参加者は約3000人以上。毎回、約30人の定員はすぐ満席に。最近は全国各地から開催依頼も殺到中だ

「死」を体験するプログラムで人々は「生」を実感する

 人が自分の死を意識するのは、いくつぐらいからなのか。各週刊誌やテレビがこぞって終活特集を組んだり、坂上忍や秋野暢子ら芸能人が自らの終活を告白したりと、空前の終活ブームである。その影響もあって、まだ若いのに「死を体験するイベント」に参加する人々が急増。実態を探るべく、「死の体験」に足を踏み入れた。  最初に訪れたのは、首都圏を中心に人気の「死の体験旅行」。主宰は横浜市にある寺院の倶生山なごみ庵・住職の浦上哲也氏。同イベントで使用されるのは、元は海外のホスピス向けに開発されたプログラム。それを浦上氏が独自にアレンジし、実施しているという。  開催場所の都内の寺院に集まったのは、28人の男女。年齢層は20~40代が中心。仕事帰りか、スーツ姿の男性の姿も見られた。  まず、参加者たちが「家族」「仕事」など自分にとって大切なものを紙に書き、ワークショップは始まる。住職が読み上げる「病が発覚した“私”が命を終えるまでの物語」を聞きながら、参加者は、事前に紙に書いた「大切なもの」を取捨選択していく。自分の死を想像しながら何度も行われる「大切なものを捨てる作業」。それを通じて、「もし死が迫ったら自分は何を優先するのか」を突きつけられることで、自然と人生の優先順位が可視化されていく。  ワークショップ終了後は、「死の体験旅行」を経た感想を全体で言い合うシェアリングが行われる。参加者からは、「忙しい日々のなか、『死を目前にしたときに後悔しない人生』を考えることで、気持ちを整理できた」(30代男性)、「重い病気を患った際に家族に支えてもらったことを思い出した」(40代女性)との声が上がった。中には感想を語りながら、感極まって泣きだす人々の姿も。取材班も最初はその姿に驚きつつも、彼らの多くが口にする「周囲の人々への感謝」を耳にするうち、自身の中でも家族や親しい人の顔が思い浮かび、感謝の気持ちが込み上げてくるから不思議なものだ。主宰の浦上氏は参加者の傾向をこう語る。
死を体験するイベント

父の死を契機に「死の体験旅行」に関心を抱いたという僧侶・浦上氏。「死はいつ来るかわかりません。ぜひ若い世代にも死を考えてみてほしいです」

「親しい方が亡くなったという人もいれば、好奇心からいらっしゃる方もいます。あとは、会社の上司に、『考えが整理されるから』と勧められたという方もいますね」 <死の体験旅行> 「私」が病魔に侵され、死に至るまでのストーリーを、進行役である僧侶・浦上氏のガイダンスに従っていくワークショップ。都内の寺院や横浜の倶生山なごみ庵で、月1~2回開催。参加費は3000円前後
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終活は自己啓発になっていた
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