雑学

爆笑![昔の2010年予想図](珍)絵巻【科学技術編】

気がつけば、21世紀も10年目。でも、子供の頃、想像してたのと何だかちょっと違うような……。というわけで、官公庁や有識者による真面目な未来予測から、SF小説などのフィクションまで、いろんなメディアで発表された”過去の未来予測”を集め、その当たりハズレを検証した!

[科学技術]編
大都市地下空港を結ぶトンネルのなかを飛行機が飛ぶ
ニュートン’92年2月号増刊

2010年 人類はついに月面に居住基地を完成させる!!
週刊プレイボーイ’88年1月19日号

マグニチュード7以上の地震の発生を予測できる技術が開発される
科学技術庁技術予測報告書’87年版

遂に人類の夢が実現 あと22年でガンがなくなる!
微笑’87年10月24日号


 夢の21世紀も、実際に10年過ごしてみると、案外フツーな感じの今日この頃。しかし、かつて予測されていた2010年は、こんなもんじゃなかったのだ! たとえば「高さ4000メートルの超複合都市で、人は環境保全を考える」(『ニュートン』’92年2月号増刊「近未来予測2010」)てな見出しの記事では、800階建ての超々高層未来都市が描かれている。ちなみに現在の高層ビル世界一はUAEにある「ブルジュ・ドバイ」の828mだから、残りはおよそ3200m……先、長っ!

 上に広がると、下にも広がらないと気が済まないのが未来予測のお約束。「大都市地下空港を結ぶトンネルのなかを飛行機が飛ぶ。」(同)ってマジっスか!? 都市間を外径およそ50mの地下トンネルで結び、そこを1mほど浮上して飛ぶ専用飛行機が行き交うらしい。

 地表や地下がそんな具合だから、宇宙開発の予測も推して知るべし。「2010年 人類はついに月面に居住基地を完成させる!!」(『週刊プレイボーイ』’88年1月19日号)と意気込むも、人類はアポロ計画以降、いまだに地球周回軌道の外には出てない状況。2010年完成どころか、着工の気配もないんですけど……。また「宇宙へのあこがれをかなえる青少年研修センターが、月面に建設される」(前出『ニュートン』増刊「近未来予測2010」)なんて予測も。いや、今年も相変わらず、青少年の研修や合宿には、林間や臨海の施設が使われるんじゃないでしょうか。

 青少年といえば、子供向け科学雑誌でもSFチックな未来予測は定番モノ。『6年の科学』’85年3月号では、「2010年 太陽光発電システム完成>」とコミック仕立てで紹介。宇宙空間に広大な太陽電池をセットして、「電気をマイクロウェーブの電波に変えて地上に送る」とか。実現していれば、昨今のエネルギー問題なんて一挙に解決するのになぁ。

 太陽エネルギーの利用はかなり昔から考えられていたようで、大正時代の雑誌『日本及日本人』の特集「百年後の日本どうなるか」(’20年4月春季増刊号)でも「(太陽の)光熱が電磁気波動なることを利用する電気的の方法もありませう」との意見があるほど。もっとも、同じ記事では「軽便一人乗飛行器と云ふものが出来て、今日の人が下駄をはくと同様に、飛行器に乗つて自由に空中を飛行往来することが出来る」なんて予測も。それじゃドラえもんの道具だよ。

 その手の未来マンガ的視点は、学年誌の得意技。「三十年後(中略)日本はボタンとスイッチの時代です」と、ハイテク時代を強引に要約するのは小学五年生(’75年1月号)。「ボタンやスイッチを押しただけで、室内のエア・コントロールから、主食、調味料などが、マーケット・センターから送られてくる。ミルクやお茶を飲みたいときは、じゃ口をひねればいい」と、未来のインフラ環境をアピールする半面、「教科書はカセットビデオテープ」というあたりが何ともトホホな感じである。

 情報メディア技術では、「(50年後)腕時計式のテレビ電話も空想の産物ではない(中略)わからないことがあると、すぐ情報公社へ電話する。と、コンピューターが図解入り答えてくれる」(『週刊サンケイ』’69年1月13日号)なんて予測も。ネット検索なんて想像もつかなかったのね。

 一方、『中央公論』’36年3月号ではSOHO的な世界を予見。

通勤者などといふものが珍らしい時代になつて、人間は誰も彼も自宅にゐながら仕事をするといふ風になる。(中略)人間は今日のやうな移動性を捨てて、ますます固着性になつてゆくであらう。それは動物型から植物型に変わって行くのだといつてもよい」。要は、肉食系から草食系への変化を予想していたってことか(違うって)。

 科学技術で生活は変容しても、ついて回るのは健康問題。特に「遂に人類の夢が実現 あと22年でガンがなくなる!」(『微笑』’87年10月24日号)なんて積年の野望も、結局いまだ実現していない。ちなみに、このガンの予測も含めて、雑誌の予測記事でよくネタ元にされるのが科学技術庁(現文部科学省)が’71年からおよそ5年おきに発表してきた「技術予測調査」。その’87年版によれば、2007年には「マグニチュード7以上の地震の発生の有無を数日程度前に予測できる技術が開発される」なんて予測が。実用化できていれば、被害は激減だろうねぇ。ほかにも「2006年 ヒトの細胞、組織を組み込んだ人工臓器が実用化される」(同)、「2002年 ビジネス用の標準会話における自動同時通訳機が開発される」(’77年版)など、広範囲の技術予測がまとめられている。どのくらい当たっているかは一概に言えないが、少なくともここに挙げた項目は、どれも実現してないんだけどね……。

― 爆笑![昔の2010年予想図](珍)絵巻【1】 ―




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