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『エイリアン』シリーズが18年ぶりに人気再燃中な理由

 名匠リドリー・スコット監督の手により、1979年に公開されたSFホラー映画の金字塔『エイリアン』。
6月11日に発売された「エイリアン アイソレーション」(セガ)より

6月11日に発売された「エイリアン アイソレーション」(セガ)より

 エイリアンといえば、あの後頭部が長い姿で知られる「ビッグチャップ」。このビッグチャップ、長い年月を経て今やポップアイコンとなり、キャラクターグッズ化の勢いは現在でも止まる気配すらない。フィギュア好きであれば毎年なんらかの商品が出ているため身近に感じるかと思うが、実は97年に公開された『エイリアン4』を最後に、18年間新作は出ていないのである。  そんななか昨年5月、ビッグチャップをデザインした生みの親、H・R・ギーガーが逝去。彼の功績を讃えるべく、映画界だけではなくファンたちの間からも『エイリアン』熱が再燃している。  まず、『エイリアン』フィーバーについて時系列を整理してみたい。  昨年10月には、ギーガー逝去も引き金となったのか、海外では先行して映画『エイリアン』と『エイリアン2』の間の物語が作られた。そしてゲームだけでしか楽しめない最新のエイリアン・フランチャイズとして6月11日、セガから『エイリアン アイソレーション』が発売。
「エイリアン・アイソレーション」

「エイリアン・アイソレーション」は原作映画の世界観を出演者を含め再現! シガニー・ウィーバーをはじめとするオリジナルキャストのボイス出演で、あの迫力ある名シーンをプレイすることができる

 エレン・リプリーの娘、アマンダ・リプリーが消息不能となったノストロモ号のフライトレコーダーを回収するべく、ウェイランド湯谷社の社員として宇宙へ向かうストーリーである。まさかオリジナル版『エイリアン』の続編で娘を主人公に置き換え、フライトレコーダー回収の業務で再びビッグチャップに遭遇するという匠なゲームデザインになるとは、誰しもが予想だにせず海外では数々の賞も受賞。過去に発売されたエイリアン・フランチャイズゲームのなかでは最大級の賛辞が送られた。
「エイリアン・アイソレーション」

サバイバルモードには入門用のシナリオに加え、本編とは異なる5つのサイドストーリーを用意。

 このように『エイリアン』熱が高まる中、日本公開版が配給会社によって表現規制され炎上したロボット映画『チャッピー』のニール・ブロムカンプ監督が、『エイリアン』シリーズ最新作の監督に抜擢。するとプロムカンプ監督は、エイリアンの最新作を、『エイリアン2』(’86年)の続編に位置付けられるような新たなものを作りたいとリドリー・スコット監督と20世紀フォックスに直訴。デヴィッド・フィンチャー監督によって’92年に製作された『エイリアン3』を真っ向から否定しているともとれる姿勢を示した。  そのことが今年2月に発表されるとファンは歓喜。『エイリアン2』のもうひとつの続編ということで、再び旧作で主演を務めたシガーニー・ウィーバーやマイケル・ビーン、ランス・ヘンリクセンが出演する予定で、ブロムカンプ監督ならではの海兵隊員が多く登場してのドンパチシーンに期待が集まる。  また、プロムカンプ監督版『エイリアン3』の公開タイミングに合わせる形で、フルCGアニメーションの『エイリアン』の制作も水面下で進められているという噂もある。当然、銃火器でのドンパチ系になるだろうが、いずれにせよ『エイリアン』熱はまだしばらく続きそうだ。  そして『エイリアン アイソレーション』は海外で配信された全てのダウンロードコンテンツが入っているというおトク仕様。1979年に公開されたオリジナル版『エイリアン』における、ノストロモ号での惨劇モードも体験できるのも魅力だ。ゲームのためだけにシガニー・ウィーバー以下、ノストロモ号の乗組員たちが35年ぶりに同窓会のごとく再結集したのもアツい。  実際のところ、H・R・ギーガーの逝去を受けて20世紀フォックス、そして『エイリアン アイソレーション』のセガの2社がエイリアン・フランチャイズムーブメントの火付け役を担っているようだ。映画もさることながらゲーム版も大変人気が高く、1982年にATARI 2600で発売されてから映画公開とは関係ない時にでも、根強いファンの期待に添えるべく継続的にリリースしている。 『エイリアン アイソレーション』の発売を記念し、せっかくなのでSPA!独占で秘蔵の『エイリアン』ゲームリストを初公開! ⇒【ゲームリスト】https://nikkan-spa.jp/870169  もし、これらを全てプレイしたことがある猛者がいたら、自称・シネマゲーム研究家の看板を受け継がせたいと思っております! 文/ジャンクハンター吉田(コラムニスト)
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