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“芸能人なりすましメール会社”の内紛。裁判で部下が上司にマジギレ

「俺、木村◯哉だけどさ…」 「◯◯からお前の連絡先教えてもらって、連絡してるよ」 「スタジオこれから入りまっす\(^o^)/」 「早く会いたいから、返事下さい(汗)」
迷惑メール

このような迷惑メール、一度は届いたことがあるだろう

 このような、あたかも芸能人からのメールをもらったことはありませんか?  もちろんこれはなりすましメール。返事をしたら最後、有料サイトへと誘導され、お金を吸い取られます。こんなの誰が引っかかるんだ? と首をかしげたくなるものです。先日こういった芸能人なりすましメールを始め、様々な詐欺メールを配信していた会社役員の裁判傍聴に立ち合いました。  被告人は詐欺メールを送る会社の役員。審理に入り彼の罪を明らかにするため、当時働いていた課長(彼も起訴されすでに判決が出ています)が、証人として出廷した時の話です。

詐欺メール会社の内情は意外と地味

=== 被告人:多田野和也(仮名・30代後半)詐欺メール会社役員 証人:松山洋(仮名・50代)詐欺メール会社課長。被告人の部下 罪状:詐欺 ===  今回傍聴したのは、LINEがまだ流行る前、平成23年頃の事件です。なりすましメールを送り、有料サイトへと誘導していたこの会社。  被告人多田野の罪状を明らかにするため、傍聴時には当時課長だった松山さんが出廷。会社の業務内容や被告人との関係を、弁護士や検事の質問に沿って話していきます。  ちなみに芸能人なりすましメールというのは、24時間交代制で送っているらしく、配信表には「どんな芸能人設定で、どのようなユーザーに、どの文面で送ったか」が書かれています。有料サイトに誘導し、その後はサイト内でいかにメッセージを引き伸ばし課金させるかという目標のため、オジサンたちがちまちまとメッセージを送り続けているのだとか。
裁判傍聴

※写真はイメージです(以下、同)

 なんて地味で涙ぐましい努力、と一瞬同情しそうになりましたが、そうじゃない。悪徳詐欺会社は、こうして善良な一般人からお金を巻き上げているわけですが、だんだんと時代の変化とともにこの仕組みも限界を迎えます。そして淡々と話していた松山さんの口調も、荒っぽく……。

松山さんの化けの皮が剥がれ始める

「まずは私自身も、被害者の方への謝罪の気持ちがあります。誠心誠意、自分が経験したことを話し、そして罪を償いたいと思います」 「多田野さんへの恨みは、最初はありましたが今は全くありません。できることは、ただ罪を償いたいという気持ちです」  最初こう宣言し、証人尋問を開始した松山さん。  すでに松山さんには有罪判決が出て、現在、執行猶予中。最初は「自分も利用されていた!」と怒りを感じたそうですが、今は深く反省し更生の道を歩んでいるらしい。  しかし、裁判は人間の欲と本質が見える場所。松山さんの反省という仮面は、時間とともにベロリと剥がれることになります。  その片鱗がみえてきたのが、運営会社の売上が下がり始め、管理職である松山さんへの風当たりが強くなった頃から。被告人から毎日「売上を上げろ!もっと頭使え!」と叱咤されるようになり、どんどんと立場が悪くなっていきます。  また月1回のMTGは週1回となり、そこでも松山さんは詰められます。やっている事がブラックな上、ブラックにツメるなんてもはや漆黒。 「どうやってユーザーに利用する気を起こさせるか?」 「ユーザーをどう回すか?」  なんてがことが話される中、松山さんは売上が上がらない責任を取らされ、被告人の指示で減給されてしまったのだとか。
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怒りでヒートアップ
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