更新日:2019年09月27日 15:36
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消費税10%に過半数が反対なのに…自民党が勝った理由は?

自民党

自民・公明両党で改選過半数を超す71議席を得て勝利した参院選。その結果を受けて麻生太郎財務相は「消費税率の引き上げは最初から申し上げてきた。その意味では信任をいただいたと思う」と述べ、予定どおり10月に10%へと引き上げる見通しだ(画像は自民党ホームページより)

増税を「信任」したと誤解するなかれ!

「政治というのは、必ずしもよりよい選択をすることではない。時には、最悪(worst)を避けるため、より悪い(worse)を選ぶこともある」。永田町で仕事をしていると名言(迷言?)を聞くことがあるが、これはなるほどと思ったものだ。  関連して、今は亡き、あるベテラン政治家と話をしていたとき、こうした話を聞いたことがある。 「例えば、規制緩和をすれば、新しいビジネスが生まれるが、規制によって既得権益を守られている人たちにとってはダメージになる。政治の決断は、ある人には利益をもたらすが、別の人には不利益をもたらす。その両面を見ながら、国益と多数派の国民たちにとって、最善の選択は何かという観点とともに、最悪を避けるためにどうするか、を考えるものなのだ」  自らに言い聞かせるように話してきたので問い返したことがある。 「しかし、結果的に“最悪”の選択をしたということはなかったのですか?」 「そうだねえ。そのときは有権者からノーを突きつけられることになる。それは選挙で落選するか、投票率の低下というかたちで民意が示されるだろうから」  なんでこんな話をするかといえば、今回の参議院選挙のことだ。  残念ながら、盛り上がりに欠けた国政選挙だった。
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過半数が増税に反対。自民党が勝った理由
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(えざき・みちお)1962年、東京都生まれ。九州大学文学部哲学科卒業後、石原慎太郎衆議院議員の政策担当秘書など、複数の国会議員政策スタッフを務め、安全保障やインテリジェンス、近現代史研究に従事。主な著書に『知りたくないではすまされない』(KADOKAWA)、『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』『日本占領と「敗戦革命」の危機』『朝鮮戦争と日本・台湾「侵略」工作』『緒方竹虎と日本のインテリジェンス』(いずれもPHP新書)、『日本外務省はソ連の対米工作を知っていた』『インテリジェンスで読み解く 米中と経済安保』(いずれも扶桑社)ほか多数。公式サイト、ツイッター@ezakimichio

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 ’17年、トランプ米大統領は中国を競争相手とみなす「国家安全保障戦略」を策定し、中国に貿易戦争を仕掛けた。日本は「米中対立」の狭間にありながら、明確な戦略を持ち合わせていない。そもそも中国を「脅威」だと明言すらしていないのだ。

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