更新日:2019年09月17日 21:51
スポーツ

ラグビーW杯の楽しみ方を『スクール☆ウォーズ』のモデル・大八木淳史が解説

ラグビーは多様性を重視したスポーツ

――確かに、近年の日本代表チームは、バラエティに富んだタレント(才能のある選手)揃いのチームという評価がある。 大八木:今回のW杯では、FWは、力のあるフランカーの姫野和樹選手(25・トヨタ自動車)、BKは、一瞬の隙を突く「スピードスター」と称されるウィングの福岡選手に特に注目していますが、そもそもラグビーは「社会の縮図」なんですよ。例えば、学校には背の高い生徒もいれば、太った生徒もいる。足が速い生徒も遅い生徒もいる。こうした人たちに適材適所のポジションを設けたのがラグビーなんです。  サッカーにしろ、水泳にしろ、マラソンにしろ、同じ競技をしていれば、選手の体格はだいたい似たようなものですが、ラグビーはそうじゃない。つまり、ラグビーは「個」を最大限に優先している。15人という多人数でプレーするのに、多様性を昔から重視しているわけです。  日本代表に外国人選手がいるのも、多様性を重んじて、外国人でも代表資格を得られる規定があるからで、日本人がほかの国の代表になることもできる。こんなスポーツ、ほかにはありませんよ。 ――自国開催ということもあり、世界標準のプレーを一目見ようと、多くの「にわかファン」がスタジアムに詰めかけると見られているが。 大八木:野球やサッカーと違い、ラグビーはホームとアウェイで観客席が分かれておらず、隣に対戦相手のファンが座っていたりするが、ケンカにはならないんですね。ラグビーの強い国は大抵“パブ文化”のある国で、試合前にパブで対戦国のファンと一緒に、ラグビーの話をつまみにビールを飲む。  スタジアムでは観戦しながら飲み、終わればまたパブで試合を振り返りながら飲む(笑)。ラグビーファンの「たしなみ」とはそういうものなんです。ラグビー選手もよく飲むしね。どの国の選手も10ℓはビールを飲むんちゃうかなぁ(笑)。  ’87年にオールブラックスが初来日したとき、対戦後に芝パークホテルでレセプションがあったのですが、1試合戦った後だというのに19時くらいから朝まで延々と飲むんです……。バーテンダーも偉いもんで、朝方になっても店を閉めない(苦笑)。僕らはさすがに朝帰ったんだけど、後で聞いたら、時計がもう一回りして翌日の朝食までぶっ続けで飲んでいたらしい(笑)。  そのときは、さすが、世界最強と言われるオールブラックスやなぁと思いました。まぁ、選手は別として、大会中に対戦相手の国から来たファンを見かけたら、ご当地グルメを教えてあげたりすれば、W杯をより一層楽しめると思いますよ。  * * *  20日のロシアとの開幕戦は、東京スタジアム(東京都調布市)で行われる。2戦目は28日に小笠山総合運動公園エコパスタジアム(静岡県袋井市)でアイルランド戦、3戦目は10月5日に豊田スタジアム(愛知県豊田市)でサモア戦、そして、10月13日に横浜国際総合競技場(横浜市)で行われるスコットランド戦で1次リーグ最終戦を迎える。  果たして、開催国日本は、念願の1次リーグ突破を叶えられるのか?ラグビー熱が盛り上がるかは初戦に懸かっている。 ★全国の12会場で開催。44日間の激闘が始まる……ラグビーW杯は44日間にわたって熱戦が繰り広げられる。20日に東京スタジアムで行われる日本vsロシアの開幕戦を皮切りに、会場は、北は札幌ドーム(札幌市)から、南は熊本県民総合運動公園競技場(熊本市)まで12会場に上る。無料、チケットなしで訪れることができるファンゾーンのうち、全国18会場で日本戦のPVも楽しめる 取材・文/週刊SPA!編集部 写真/時事通信社 AFP=時事 ※週刊SPA!9月10日発売号「今週の顔」より
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週刊SPA!9/17・24合併号(9/10発売)

表紙の人/宇垣美里

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