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勘違いの都知事と都議に喝!首都高渋滞解消に、料金所撤廃、Suica導入論は無意味

首都高本線料金所廃止は東京オリンピックのデメリットになる

 現在、3号線上りは、首都高の用賀料金所付近を先頭に、毎朝東名方面に渋滞が10kmほど伸びている。4号線上りの永福料金所も同様だ。しかし料金所を撤去したところで、渋滞は減らないだろう。渋滞の先頭がより都心寄りに移動する可能性はあるが、渋滞の総量が減ることは考えられない。  首都高の交通量は、ピーク時には常に交通容量を上回る。そういう状況では、路面にゴミが落ちているような些細なことでも渋滞が発生する。本線料金所は確かにゴミ程度の障害にはなっているが、それをなくしたところで、次のゴミ(カーブや勾配、合流など)で渋滞する。  逆に、本線料金所を廃止してしまうと、来年の東京オリンピックで予定している「本線料金所の開ブース数を絞ることによる流入交通量のコントロール」のようなことは不可能になる。つまり、首都高の本線料金所を廃止したところで、メリットはほとんどなく、デメリットだけが考えられる。  都議会で質問に立った野上都議は、「Suicaのようなシステムを導入すべきではないか」と述べたというが、そういった議論は、約20年前のETC導入時にさんざん行われ、終了している。今頃になってなにを蒸し返しているのだろう。  もちろん、ETCがベストな料金徴収方法であったかどうかは微妙だが、その普及によって全国の料金所渋滞はほぼ消滅した。今さら首都高にSuicaやその他先進的な料金徴収方法を導入してもまったく無意味。野上都議も小池知事も、そのあたりを勉強してもらいたい。 取材・文/清水草一
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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