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渋滞緩和じゃない!新東名全線開通先送りで老い先短いカーマニアが残念に思ったこと

 8月27日、NEXCO中日本は、新東名高速道路の唯一残されている未開通区間(伊勢原JCT-御殿場JCT間)の全線開通が、当初予定していた2020年度から3年遅れて、2023年度になる見通しであることを発表した。

延期前の予定。「E1A新東名高速道路(海老名南JCT~御殿場JCT間)連絡調整会議(第3回)説明資料2019年」より

 具体的には、東名と接続する伊勢原JCTから伊勢原大山IC間(2km)は、予定通り今年度中に開通するが、伊勢原大山IC-秦野IC間(13km)は1年遅れて2021年度中、秦野IC-御殿場IC間(26km)は3年遅れの2023年度中、そして御殿場IC-御殿場JCT間(7km)は予定通り2020年度中の開通となる。3年遅れる秦野IC-御殿場ICでは、神奈川県松田町の中津川にかかる中津川橋建設現場付近で、のり面の崩落や橋梁の設計見直しなどが生じ、大幅な遅れが余儀なくされたという。

延期後の予定。「E1A新東名高速道路(海老名南JCT~御殿場JCT間)連絡調整会議(第3回)説明資料2019年」より

 未開通区間の末端部は予定通り開通するが、高速道路はネットワークとしてつながってこそ意味がある。2023年度の全線開通まで、新東名の利用は実質的にはお預けとなると考えてもいい。

先送りは周辺施設には影響しても渋滞緩和への影響は?

 もともとこの区間は険しい山岳地帯にあり、トンネルと橋梁だらけの建設難所だ。沿道の多くは人家も乏しいが、静岡県小山町に建設中の小山PAにはスマートインターが建設され、すぐ近隣の富士スピードウェイの利便性が大幅に向上する予定だった。この小山スマートインター付近には、トヨタグループが「モータースポーツビレッジ(仮称)」を建設中で、2021年から順次開業する予定でもあるので、これら施設にとっては開業の遅れは痛手になる。  ただ、もともとこの区間は、並行する東名が6~7車線あるため、交通容量は特に不足していなかった。東名の最大の問題は、海老名南JCTから東京寄りに新東名の計画が存在しないことなのだ。  東名は、大和トンネル付近を先頭に上下線とも日常的に渋滞している。この付近は現在付加車線の建設が進んでいて、2020年東京オリンピックまでに完成する予定だが、上下線とも4~5kmのみの拡幅にとどまるため、効果は限定的だろう。

NEXCO中日本HPより

 新東名が全線開通したところで、上りも下りも最大の難所は解消されないので、それほど大きな利便性の向上は見込めないというのが、本当のところだった。しかも、建設中の新東名は4車線。東名(6~7車線)よりはるかに狭い。距離も48kmでほぼ同じだ。カーブや勾配は小さいが、交通容量では東名にかなわない。この区間に関しては、「新東名を走ればラクラク」というわけではない。新東名開通後は、大型トラックが新東名の方に大挙流れ込むだろうから、マイカーはかえって利用を避けたほうがラク、という可能性もある。
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新東名全線開通で期待すること
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