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“過激化”する温暖化への抗議活動。ロンドン、スイス…日本にも?

ロンドン自然史博物館

ロンドン中心部の自然史博物館のメインホールを占拠、床に体を横たえるXR参加者たち。©Trish Gant/Alamy Stock Photo

「絶望」と「危機感」から世界中で“過激”行動が増加

 気候変動による種の絶滅、異常気象、貧富の差の拡大、食料危機……。今年は「絶望」がキーワードとなる年になるかもしれない。その絶望への抵抗が、世界中で大きなうねりとなっている。  その代表格が各国政府に温暖化への対応を求める直接行動「エクスティンクション・リベリオン(絶滅への反逆)」(XR)だ。温暖化を「大量虐殺・人類存亡の危機」だとして「’25年に世界のCO2排出ゼロ」などを求めている。  XRは’18年10月に英国で行動を開始。’19年4月にはロンドンの主要地点を占拠、1400人以上の逮捕者を出した。これが注目を集め、数十か国に勢力を拡大。パリではエッフェル塔前の広場を真っ赤な液体で染め、ショッピングモールを占拠。スイスではプライベートジェット発着場を占拠するなど、過激な活動を展開する。
スイスの空港占拠

スイスではプライベートジェット専用ターミナルを占拠 写真/AFP=時事

「日本人の感覚では過激に映るかもしれませんが、その危機感には科学的根拠があるのです」と、XR日本支部広報担当者は言う。 「予想を上回る規模で氷河が融解し、地中から膨大なメタンガスが放出されるなど、温暖化の悪影響がさらに悪影響を招く循環が始まっています。日本でもグレタ・トゥンベリ氏の国連演説に注目が集まるなど、若者を中心に温暖化防止への意識が高まってきています」  XRには女優のエマ・トンプソン氏など、多くの著名人が支持を表明。’19年10月にはベルギーのエスメラルダ王女がロンドンで座り込みに参加して逮捕され、話題となった。’19年12月の国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP25)では各国の意見がまとまらず、世界の若者の間に失望が広がった。  今後、XRのような行動は日本にも飛び火してくるかも? 取材・文/志葉玲 ※週刊SPA!1月7日発売号より

週刊SPA!1/14/21合併号(1/7発売)

表紙の人/ 森 七菜

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