「地球温暖化が続く限り、豪雨も猛暑も増え続ける」温暖化研究者らが警告
今年に入って、北陸地方の大雪、西日本豪雨、記録的な猛暑、そして西進する台風……と、日本では異常気象が続いている。これは日本だけのことではなく、世界全体でも寒波や熱波、洪水や森林火災などが頻発しているようだ。
このことと地球温暖化の進行は、どこまで関連性があるのだろうか? 温暖化を止めるためにはどうしたら良いのだろうか? 識者らに聞いた。
温暖化の研究を続けている、国立環境研究所・地球環境研究センターの江守正多副センター長は「地球温暖化が続く限り、豪雨も猛暑も増え続ける」と語る。
「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第5次評価報告書の評価では、猛暑については、すでに増えている『可能性が非常に高く』(90%以上)、今世紀末に向けてさらに増えるのは『ほぼ確実』(99%以上)としています。
大雨についてのIPCCの評価は、すでに起きている傾向としては『陸上で大雨が増えている地域が減っている地域よりも多い可能性が高い』(66%)、今世紀末までに増える可能性は『中緯度の大陸のほとんどと、湿潤な熱帯域で、非常に高い』(90%以上)となっています。
理論的には、気温が上がれば大気中の水蒸気が増えることにより、大雨が増えることは当然と考えられます。つまり、このまま有効な対策が取られずに地球温暖化が進行する限り、豪雨も猛暑もこれからも増え続け、その脅威もアップする。『数十年に一度』という極端な気象が発生する頻度が高まる、ということです。
今回の豪雨や猛暑の報道では『これまでの常識が通用しない』と、解説されています。それはその通りなんですが、それだけで終わりではない。温暖化が続く限り、『これまでの常識が通用しなくなり続ける』。つまり、過去の常識が今通用しないのと同様に、今の常識がさらに通用しない異常気象・大災害が将来は起こりうるということなのです。
今年の豪雨と猛暑をきっかけに、日本でも『地球温暖化は生命を脅かすリスクである』と認識すべきです。世界の温室効果ガス排出量を今世紀中に“実質ゼロ”にする必要性を、実感してほしいと思います」(江守さん)
これからも『これまでの常識が通用しない』異常気象・大災害が起こり続ける!?
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