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「人類がもうじき破滅するのを避けるには」ホーキング博士の遺言

 3月14日、“車いすの天才物理学者”として知られるスティーヴン・ホーキング博士が亡くなった。博士は晩年、「人類に残された時間はあと100年」と、多くの“警告”を繰り返し発していた。そのメッセージの意味とは?

大規模な火災

’17年、米国カリフォルニア州では大規模な火災が相次いだ。気象学者たちは、地球温暖化による高温と乾燥した風が被害に拍車をかけていると指摘している 写真/時事通信社

北極圏の海氷の激減によって世界各地で異常気象をもたらしている


 人類最大の脅威の一つとしてホーキング博士が指摘していたのが、地球温暖化だ。

 ’17年7月、英国放送協会(BBC)のインタビューで、地球温暖化防止の国際的な合意「パリ協定」から、米国トランプ政権が離脱を表明したことを博士は厳しく批判。米国の離脱で地球温暖化が加速、このまま人類がCO2を排出し続けるなら「気温250℃、硫酸が降り注ぐ、金星のような高温の惑星へと地球を追いやるだろう」と警告した。

 ホーキング博士は「地球温暖化は後戻りできない転換点に近づいている」と憂慮。’16年9月にも、ノーベル賞受賞者30人を含む365人の科学者による、パリ協定離脱反対の公開書簡に名を連ねている。

 温暖化による影響がさらに温暖化を加速する『ポジティブ・フィードバック』を指摘している山本良一・東京大学名誉教授は、現在進行している北極圏の海氷の激減が、世界各地で異常気象をもたらしていると語る。

「極地と赤道との温度差が小さくなると、中緯度の上空に流れるジェット気流の勢いが弱くなります。このジェット気流が蛇行することにより、極地の寒気が中緯度の地域に流れ込みます。北米などで猛烈な寒波が起きると、『温暖化なんて嘘だ、むしろ寒冷化している』との主張が出てきますが、寒波も温暖化の影響なのです。逆にジェット気流の蛇行で、赤道付近からの空気が流れ込むことで、熱波が引き起こされます」

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メルケル首相、ローマ法王も懸念

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