更新日:2023年05月18日 16:09
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エコノミーと同じ座席の“なんちゃってビジネスクラス”とは?

 ビジネスクラスでも航空会社やルート次第では、意外と安く旅ができるのでは?  そんな思いつきから始めた今回のほぼビジネスクラス世界一周もついにヨーロッパ編に突入。欧州1か国目は、地中海に浮かぶキプロス共和国だ。

紛争で島が南北に分断されたキプロス

ニコシア(キプロス側)旧市街入口

ニコシア(キプロス側)旧市街入口

 トルコの南に位置するキプロス島の大きさは、四国のおよそ半分。もともと1つの国だったが、ギリシャ系とトルコ系の民族間の対立から紛争へと発展。1983年に北キプロス・トルコ共和国が独立を宣言し、分断状態が続いている(※ただし、現在もトルコ以外の国家からの承認は受けていない)。
キプロス・北キプロスの緩衝地帯

キプロス・北キプロスの緩衝地帯

銃撃の跡も見られるニコシアの城壁

銃撃の跡も見られるニコシアの城壁

ニコシア旧市街の地図。南北に分断されているのがわかる

ニコシア旧市街の地図。南北に分断されているのがわかる

 筆者は南側のキプロス共和国のラルナカ国際空港に到着後、首都のニコシアへ移動。実は、東西ドイツ時代のベルリンのように街の中央に国境線が引かれ、南北に分断されたままとなっている。
ニコシアの中心部にあるクロスポイン

ニコシアの中心部にあるクロスポイン

北キプロス側のニコシア旧市街

北キプロス側のニコシア旧市街

 今も国連軍が駐留しており、民族間の対立は根深いものがあるようだが緊張状態にあるわけではなく、観光客や地元住民も両国を頻繁に行き来していた。筆者も国境近くのニコシア旧市街に宿を取っており、滞在中は毎日のように北キプロスを訪れていた。
経済格差があり、北キプロスのほうが貧しい

経済格差があり、北キプロスのほうが貧しい

 アラブ風の北側に対し、ヨーロッパ的な南側と街の雰囲気は南北で大きく異なる。さらにギリシャ文明やローマ帝国時代の遺跡もキプロス島の各地にあり、小さな島ながら見どころは多かった。

旅費節約でエコノミーを利用

 そんなキプロスの次に向かったのは、北欧スウェーデンの首都ストックホルム。ポーランドの首都ワルシャワで乗り継ぐLOTポーランド航空を利用し、航空券はこの旅はじめてのエコノミーで片道1万7176円。ヨーロッパ内の移動だし、ビジネスクラスの座席もエコノミーと同じ“なんちゃってビジネス”だと思ったからだ。
誰もいない真夜中のラルナカ国際空港

誰もいない真夜中のラルナカ国際空港

ラルナカ空港のラウンジ

ラルナカ空港のラウンジ

 ただし、この航空会社はANAと同じスターアライアンス系列のため、同社の上級マイレージ会員の筆者はエコノミーでも優先チェックインや優先搭乗、空港ラウンジの利用ができる。午前3時台の真夜中の便だったのでラウンジが開いているか心配したが、ちゃんと営業していた。
フードメニューはパンやデザート類が中心

フードメニューはパンやデザート類が中心

 サンドウィッチや菓子類などが少し置いてある程度だったが、利用客は筆者を含めて数人。今回訪れた空港の中ではもっとも小さく、ラウンジもコンビニほどの広さしかなかったが、ほぼ貸し切り状態でくつろぐことができた。
LOTポーランド航空172便のなんちゃってビジネスクラス

LOTポーランド航空172便のなんちゃってビジネスクラス

 そのラルナカからワルシャワまでは約3時間半のフライトだったが、ヨーロッパ内のエコノミーなのでドリンクのサービスが1杯あっただけ。けれど、ビジネスクラスも予想通りエコノミーと同じ座席だったし、やはりそこまでのお得感はないようだ。
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ワルシャワ空港のラウンジに大満足
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フリーライター。鉄道や飛行機をはじめ、旅モノ全般に広く精通。3度の世界一周経験を持ち、これまで訪問した国は50か国以上。現在は東京と北海道で二拠点生活を送る。

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