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選抜高校野球「21世紀枠」大金星の歴史。敗れた強豪校は「腹を切りたい」の捨て台詞…

 開幕までひと月を切った今年の春の選抜。今大会にも“21世紀枠”という特別枠で3校が出場するが、実力重視での選出ではないため、21世紀枠の昨年までの初戦成績は13勝38敗、通算でも19勝51敗と圧倒的に分が悪くなっている。
高校球児

写真はイメージです(以下同じ)

 ただ、そんななかでも私立の強豪校相手に見事、勝ち星を挙げたチームもチラホラと。そこで今回は前回とは真逆の、“話題をさらった21世紀枠勝利チーム”を年代順にご紹介しようと思う。

21世紀枠元年でのいきなりの… 2001年第73回大会 宜野座(沖縄)

 21世紀枠が初めて採用された2001年の第73回大会。その記念とばかりに大旋風を巻き起こしたのが宜野座だった。初戦でいきなり東海大会王者の岐阜第一と激突。これを7-2で降すと、桐光学園(神奈川)を4-3、浪速(大阪)を延長11回のすえ4-2で振り切ってなんとベスト4進出を決めたのだ。さすがに準決勝ではこの大会の準優勝校となる仙台育英(宮城)の前に1-7で完敗したが、部員全員が地元の中学出身で地域貢献への貢献度が高いという理由で選出された同校が甲子園でも地元に対する大貢献を果たしたのである。  そして宜野座の健闘はこれで終わらなかった。なんとこの年の夏の沖縄県予選を勝ち抜き、地力での甲子園行きを決めたのだ。さすがに夏は2回戦の日本航空(山梨)との一戦で1-4で敗退したものの、なんと初戦では春に苦杯を舐めた仙台育英と再戦。その敗戦スコアであった7-1で勝利し、見事にリベンジを果たしている。

選出3校すべてが初戦突破 2008年第80回大会 成章(愛知)安房(千葉)華陵(山口)

 この年の第80回記念大会から21世紀枠は従来の2枠から1枠増枠の3校となった。そしてその3チームすべてがなんと初戦で勝利を挙げたのである。開幕戦にいきなり登場し、駒大岩見沢(北海道)に3-2で逆転勝ちした成章(愛知)、城北(熊本)に2-0の完封勝ちを収めた安房(千葉)、そして“陸の王者”慶応相手に1回表に挙げた1点=いわゆる“スミ1”を最後まで守り切った華陵(山口)の3校だ。
小川泰弘

画像:東京ヤクルトスワローズ公式サイト

 中でも過疎地の公立進学校ながら、県大会で継続して好成績を収めていた成章はこの年、エースに現在、東京ヤクルトスワローズで先発ローテーションの一角を担っている“ライアン小川”こと小川泰弘が君臨。エラー絡みで2点を失ったものの、チーム打率4割近い駒大岩見沢打線に長打を許さなかった。結果、8回表のチームの逆転劇をお膳立てするとともに、創部103年目にして甲子園での初勝利に貢献したのだった。  だが、続く2回戦は古豪・平安(現・龍谷大平安=京都)相手に善戦したものの、2-3で一歩及ばず、無念の敗退。さらに残りの2チームも安房は宇治山田商の前に3-4と9回まさかの逆転サヨナラ負け、華陵も関西の強豪・天理(奈良)の前に1-10で大敗を喫するなど、全チーム2勝目の壁を破ることは出来なかった。それでも21世紀枠のチームすべてが初戦突破という偉業を達成したのはこの年だけ。まさに記念すべき大会となった。

甲子園優勝校を連続撃破、堂々のベスト4 2009年第81回大会 利府(宮城)

 地域の清掃活動に積極的に参加。さらに運動部員による小学校への出前授業&生徒が梨農家の手伝いをしているなど、地域への貢献度が高いことが評価され、選出された利府。初戦で東海大会準優勝校の掛川西(静岡)を10-4と圧倒すると、続く習志野(千葉)戦は2-1で劇的なサヨナラ勝ち、さらに準々決勝では東の名門・早稲田実(東京)に5-4で競り勝ち、堂々のベスト4進出を果たした。  特に2回戦と準々決勝戦の相手はともに甲子園優勝経験校だけに当時、大きな話題に。だが、準決勝ではこの大会No.1左腕との呼び声高い菊池雄星(シアトル・マリナーズ)擁する花巻東(岩手)の前に2-5で屈している。とはいえ、同年夏の県予選も準決勝まで勝ち抜くなど(東北の前に1-3で惜敗)、その実力がフロックではないことを高校野球ファンに知らしめたのだった。
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「21世紀枠に負けたのは末代までの恥。腹を切りたい」発言も
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