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新型コロナウイルスで不足するマスク、自衛隊員にまわさず中国へ送っていた

自衛隊が誇る救急医療と予算の限界

 米国は「ダイヤモンド・プリンセス号」に乗船していた国民を帰国させるためにチャーター便を送りました。米国のチャーター機内では完全な個人防護具(PPE)を着た医師が体温を測るなどの健康チェックを行っていました。米国は対処する医療スタッフに対しても予算を使って感染から防護しています。  自衛隊の「医官、薬剤官、看護官」が船内で薬の仕分け作業や健康状況の確認作業を行う写真も記事中に掲載されていました。そこでは自衛隊の隊員の一部しか防護服を付けておらず、マスクだけで対応している自衛官もいました。自衛官にも防護服をつけさせてあげてという声がSNSで沸き上がりました。  2月19日、防衛省は、ようやく「薬剤仕分け区画で作業をする隊員については、これまでサージカルマスクと手袋を着用し作業に当たっていましたが、感染リスクを局限するため、本日からガウン、ヘアキャップを追加で着用しています」とTwitterで発表しました。新型コロナウイルスの感染力を甘く見ていると、新たな二次感染に繋がります。対処する自衛隊員たちには、十分な感染予防処置を取ってほしいものです。自衛隊には医療用の防護具(PPE)が十分にあるのか? とても気になるところです。

東京都が防護服を12万着中国に送るって?

 そんななか、東京都は2回に分けて12万着もの防護服を中国に送っています。タダで外国に提供するなら、自衛隊やDMATに無料で提供すべきかと思います。経済大国である中国に対し、その支援の代金は請求しているのでしょうか? 税金で都民のための災害備蓄品を無料で送ることは、いかがなものかなぁと思います。変ですよ。それ。
兵庫県三木防災倉庫

兵庫県広域防災センターの備蓄倉庫(兵庫県三木市)

 兵庫県も防災のために備蓄してあったマスクを100万個も中国に提供しました。県下ではマスクが足らず、医療機関ですら使い捨てマスクを水洗いして再び乾かして使うような涙ぐましい努力をしているというのに! おかげで兵庫の備蓄倉庫はすっからかんです。「許せない!」と私は兵庫県民として嘆きたいです。  自衛隊の野外手術システムも救急車も他にはない高い能力を持っていますが、そこで任務に当たる自衛官は人間です。病気に感染しないわけではありません。未知のウイルス対処に医療従事者が感染対策をしなければ、彼らが働けなくなるだけでなく新たな感染源となってしまいます。  予算があり余って、マスクや防護服が不要なら、必要とする自衛隊や消防、DMATなどに寄付すべきでしょ。防護服は着脱が難しく、ウイルスに暴露されないように正しく使うためには日頃から訓練が必要です。でも、訓練をする防護服だって予算です。自衛隊の予算はともかく余裕なくギリギリです。予算不足からさまざまな問題が起こります。
野外手術システム内装備品の一部

野外手術システム内装備品の一部

 自衛隊の救急車や野外手術システムの各モジュールもそれを運用する隊員さんたちも優秀な方たちでした。でも、どんな道具も常時使って慣れておかなければ、十分な力は発揮できません。リスクに対して事前に最悪を想定して、できることを準備する力は「知性」です。  転ばぬ先の杖である自衛隊の予算は十分なのでしょうか? 自衛隊だって、医療機関だってマスク不足なんです。 兵庫県が中国に差し上げた100万枚のマスクがあればなぁと思います。まず、日本人の健康や安全を第一に考えて下さい。  外国に対して気前よすぎですよ。国防ジャーナリスト。関西外語大卒業後、広告代理店勤務を経て、フリーライターとして活動を開始。2009年、ブログ「キラキラ星のブログ(【月夜のぴよこ】)」を開設し注目を集める。2014年からは自衛隊の待遇問題を考える「自衛官守る会」を主宰。自衛隊が抱えるさまざまな問題を国会に上げる地道な活動を行っている。月刊正論や月刊WiLL等のオピニオン誌にも寄稿。日刊SPA!の本連載で問題提起した基地内のトイレットペーパーの「自費負担問題」は国会でも取り上げられた。『自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う』(扶桑社新書)を上梓

自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う

日本の安全保障を担う自衛隊員が、理不尽な環境で日々の激務に耐え忍んでいる……

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