コロナ感染の温床と非難されるスポーツジム、経営者が思いを語る
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、さまざまなイベントが中止に追い込まれ、施設を閉鎖する自体が相次いでる。そんな流れを受け、元ISKAオリエンタル世界ライトミドル級王者にもなった元キックボクサー・佐藤嘉洋氏は自身の運営するスポーツジムの経営判断に迫れていた。彼がなにを考え、どう対処にあたったのか、本人が緊急寄稿し、その実情を伝えた。
スポーツジムなどでの新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、安倍総理から利用者側に対しての自粛要請があった。スポーツジムの経営者として、経営を根幹から揺るがす事態となっている。正直、その日の夜は一睡もできなかった。
自分にできることは一体なんだろうか。自分の生まれ育った日本が、全力を挙げて感染拡大を食い止めようとしている。まずはそれを第一に考えよう。そして第二に、顧客への迷惑をどのようにしたら最小限に抑えられるだろうか。
感染拡大に一番有効な方法は、ジムを2週間~1か月休業することだ。私の住む愛知県は市中感染も拡大しており、予断を許さない状況にある。しかしながら、政府は命令ではなく、あくまで利用者側への自粛要請。行くかどうかを決めるのは最終的には利用者側で、営業するかどうかを決める最終的な判断は店舗側に委ねられる。本当に頭を悩ませる問題である。自分一人が勇気を出して一時休業したところで、他も営業していたら根本的な解決には至らない。かといって、何も考えずにただ頑張るだけでは、頑張れば頑張るほど、人に迷惑をかける恐れもある。どう動いていいか「ワカラナイ」。だから怖い。
話は逸れるが、突如発表された小中高の休校も、行き場をなくした子供たちのストレスと、それを急に受け止めることになった両親のストレスも半端ない。政府も苦渋の決断だったのだろうけれど、電車移動のない地域の小学生と中学生は、明日にでも学校を再開してもらいたいところである。
ちなみに、この決定は総理の独断だったとしてSNSなどで糾弾されているが、私は全く信じていない。国の存亡を左右しかねない判断を、総理たった一人で決められるはずがない。専門家たちが裏で、「これがひとまず一番の方法かもしれない」と綿密なリスク計算を行った上での決断だったのではないか。絶対的な正解はどこにもない。
まずは小中高を一斉休校にし、何日か続けてみた。休んで良かったところと悪かったところが見えてきた(3月5日時点ではこの段階か)。再開できそうなところは明日にでも再開していく、という展開を私は望んでいる。
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