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公演中止か再開か…悩む演劇界、それぞれの事情。宝塚歌劇は9日再開

無観客上演して動画配信する動きも

 ケラリーノ・サンドロヴィッチ氏がチェーホフの戯曲をもとにオリジナル台本を書き、大竹しのぶ、宮沢りえ、黒木華らが出演するシス・カンパニープロデュース「桜の園」は、4月4日の初日に向けて稽古中(ケラ氏のTwitterより)。  渡辺謙主演のパルコ劇場「ピサロ」は、3月5日付の公式サイトでは<PARCO劇場にて3月13日より上演予定の「ピサロ」に関しまして、現在のところ催行予定で公演準備を進めております。また、今後の感染状況、政府及び関係諸機関の動向を注視しております。>と掲載。合わせて劇場で実施するウイルス対策を掲げている。
ピサロ

「ピサロ」チラシ

 高橋一生の言うとおり、こういうときまず最初に自粛を求められるのは音楽や演劇で、いまはエンタメ以外にも自粛の波が広がり中だ。換気の悪い、人が密集する場所を避けるようにとの政府の要請を受け、街から人が減って、自宅待機する人も増え、それが長引くとストレスも溜まってくるだろう。こんなときこそエンタメが必要になると思うのだが。私たちはいつまで忍耐できるだろうか。  前述のごとく、3月9日以降、公演再開する作品もあるうえ、吉本興業は全国の劇場公演を中止にしたが、6日から漫才やコント、新喜劇などを無料で生配信を開始し公演再開まで続けることを発表した。滋賀県立びわ湖ホール(大津市)は公演中止になった自主制作オペラ「神々の黄昏」を、7,8日に無観客で上演し、You Tubeで配信、録画したDVDも制作し、後日販売する予定と対応策を講じている。  舞台は生で見てこそという議論も、こうして配信の機会によってこれまで観る機会のなかった人との出会いにつながったり、新たな表現が誕生したりする可能性もある。この危機をみんなで乗り越えて、次につなげたい。 <文/木俣冬>
フリーライター。ドラマ、映画、演劇などエンタメ作品に関するルポルタージュ、インタビュー、レビューなどを執筆。ノベライズも手がける。『みんなの朝ドラ』など著書多数、蜷川幸雄『身体的物語論』の企画構成など
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