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21歳でアイドルグループ卒業、歌舞伎町で選んだセカンドキャリア

新宿で卒業して、新宿で再スタート

越智かりん 越智さんはアイドル卒業後、間髪入れずに店を開いたが、実はユニット在籍中から「新宿で卒業して、新宿で再スタートする」と決意していた。 「ずっとアイドルとして突っ走ってきたけど、1~2年前から今後について考えるようになりました。後輩も育ってきたし。私のママが地元で小料理屋をやっているのですが、たくさんの常連客がいて。それはつまり、自分にとってもお客さんにとっても“居場所がある”ってことなんです。すごい素敵なことだなって、尊敬していました。そんななかで、漠然と『いつか自分も店をやりたいな』って思いがあったんです」  そして、いざ「自分で店をやる」と決心してからはすぐに動いた。1年前には食品衛生責任者の資格も取っていたという。しばらく空いているテナントが見つからずにいたが、絶対に新宿、歌舞伎町でやると決めていたそうだ。 「日本で一番盛り上がっている街で勝負したいなって。場所柄、来にくいと感じる人もいるんですが、うちはとにかくアットホームなんです。チャージは500円のみ(フリータイム)だし、カラオケもタダで、ダーツは1回100円。“ダーツバー”という形態にしたのは、お客さんも含めてみんなが仲良くなれるかなって。いい意味でみんなを巻き込んで楽しめるじゃないですか」
ダーツ

店内にはダーツが設置されている

 壁やテーブルなど、随所のビタミンイエローが印象的な店内には、彼女なりのこだわりがある。この色は「イケてるハーツ」時代の越智さんのイメージカラーだ。店名の「SEKAIDE 1 BAR」にも由来がある。 「私のキャッチフレーズが“世界で一番越智かりん”だったんです。歌舞伎町のバーで一番になりたい。店の知名度もどんどんあげていきたいし、売上もあげていきたい。毎日ビタミンイエローの壁を見て、頑張らなきゃって思いを強くする。やっぱり、アイドルの越智かりんがあったからこその今なんです」
バーカウンター

慣れた手つきでドリンクをつくる越智さん

 越智さんは従業員のことを“選手”と呼ぶ。 「従業員っていうと何だか味気ないじゃないですか。店の名前が“SEKAIDE1BAR”だから、一緒に戦う仲間って意味も込めて選手なんです。これは徹底していて、真面目なミーティングの時にも選手って呼びます」  開店して1か月。日々新鮮で楽しいと話すが、当初は不安がないわけでもなかった。 「一緒に卒業したメンバーや、高校時代の友人が働いてくれているんですけど、何かあった時に怒ったら嫌われないか……そんな不安はありましたね。でも、だんだんひとつにまとまってきている。今は、選手たちが可愛くてたまらないんです。私という人間と一緒に働きたいと思ってくれた人は、絶対に大事にしたいと常に思っています」  終始ニコニコと店について語る越智さん。 「私が店長ですが、自分が主役だとは思っていません。選手たちもお客さんもみんなが主役の店にしたいなって。お客さんもお客さんというよりは、一緒に楽しめる仲間って感覚ですね。みんなが主役でみんなが仲間。お店がもう少し落ち着いてきたら、店休日にみんなでBBQしたりキャンプに行ったりしたいなって」 越智かりん 小さなカラダで大きな野望を持つ彼女の店が、歌舞伎町を盛り上げる日はそう遠くないのかもしれない。<取材・文/吉沢さりぃ、撮影/藤井厚年>
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720
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SEKAIDE1BAR
住:東京都新宿区歌舞伎町1丁目10−12 豊ビル B1F
電:03-6233-9933
営:20時~翌5時
休:木曜
料:チャージ500円(フリータイム)、ドリンク800円〜、ダーツ1ゲーム100円、カラオケ歌い放題
Twitter:@sekai_21
Instagram:@sekaide_1bar
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