9歳からネット中傷・炎上を経験 はるかぜちゃんはどう考える?
目下、社会問題化しているネット上の匿名者による誹謗中傷問題。その被害に10年以上も悩まされてきたのが、9歳から芸能活動を始めたはるかぜちゃんだ。今年、損害賠償請求訴訟を起こした心境をリモート取材で語ってもらった
恋愛リアリティ番組『テラスハウス』(フジ系)に出演していた木村花さん(22)が亡くなってから、ネットでの誹謗中傷が社会問題化している。政府は悪質なネット投稿の発信者を特定しやすくなるよう制度改正を検討。木村さんを中傷していたユーザーが次々とアカウントを閉鎖して逃亡したことも話題になった。これに対して、「誰かが亡くならないとわかってもらえない」と漏らすのは「はるかぜちゃん」の愛称で知られる女優の春名風花さん(19)。9歳からツイッターを始めて政治や社会問題に関する投稿するようになって以来、10年以上もネットの誹謗中傷に悩まされ、闘ってきた女子大生だ。
「’10年に東京都の青少年育成条例について、『僕たちはいい漫画も悪い漫画も自分で選べます』とツイートしてから、ずっとアンチにつきまとわれています。『死ね死ね死ね……』とツイッターの文字数制限いっぱいのリプが届いたり……。当時は携帯電話の認証がなく、複数アカウントが作りやすかったので、200ぐらいのアカウントで嫌がらせする人もいて、いくらブロックしてもキリがなかった」
幼くして強迫・ネットストーキングされる恐怖は計り知れない。だが、幼かったがゆえに対応策もわからなかったという。
「父も母もネットに詳しくなかったので、警察しか頼れなかった。弁護士に相談するという方法からして思い浮かばなかったんです。けど、警察は『証拠をプリントアウトしてください』と言うだけ。誹謗中傷の書き込みを何百枚も、何度も持って行きましたが、捜査に動いてくれませんでした。それでもいつかは……と思って、毎日、誹謗中傷アカウントを監視していた時期は本当につらかった」
’16年には出演した劇場に爆破予告が届くなど、仕事にまで支障が出始めたが、このときも警察は動かなかった。変化が見られたのは’18年のこと。アルバイトでお金を貯め、弁護士に相談することを決意したのだ。
「過去の誹謗中傷のうち特にひどいものを選んで見せたんです。名誉棄損の時効3年を過ぎてしまっているものや、明らかに私のことなのに『彼女は~』とボヤかせた書き込みなどは法的責任を問うのは難しいと言われました。私が原告になると今後の仕事(現在は学業に専念)に支障が出る可能性もあるので、最終的に『両親の失敗作』などと書き込んだ人に対して、母を原告にして訴訟を起こすことを決断したんです」
9歳からネット中傷・炎上を経験 はるかぜちゃんはどう考える?
『少女と傷とあっためミルク ~心ない言葉に傷ついた君へ~』 ツイッター戦乙女はるかぜちゃんは、今日も言葉をつぶやき、投げかけ続ける |
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