ライフ

マスク頭痛が悩ましい。息苦しい素材ほど飛沫防止の効果あり? /鴻上尚史

『ドン・キホーテ笑う』、発売のお知らせ

 もともと、マスクは、ウィルスを防ぐものではないですね。これはもう国民の常識になってきました。  マスクは防御ではなく、飛沫を防止するためのものですね。  飛沫は、話したら飛ぶわけです。それを吸い込んだら、「飛沫感染」するわけです。  話さなくても、ジョギングとかでハアハアしていると、それなりに飛んでいるわけです。  マスクをしていない、ハアハアしている人とすれ違う時は、顔を背けるとか息を止める、というテクニックですね。  ジョギングする人は、誰もいなければマスクを外して走り、誰かの近くをすれ違う時は、マスク、ということですね。  スポンジマスクなら、つけたままでも走れるぞ、と思っていたら、出演した番組の感染症専門の小林先生から「スポンジ製のマスクは、飛沫防止という意味では、効果はほとんどありません」と衝撃的なことを言われてしまいました。 「そ、そんなあ」と哀しい気持ちになったので、続けて「手作りの布マスクとかガーゼマスクとかはOKなんですか?」と聞くと、「布マスクもガーゼマスクも、残念ながら、飛沫防止にはあまり効果がありません」と、これまたミもフタもないことを言われてしまいました。  アベノマスクも、あんまり効果がないわけです。  つまりは、不織布マスクをつけて苦しいということは、それだけ飛沫が飛ばないということなんだ、というしごく当然のことを言われたわけです。  不織布マスクは苦しいです。さらに、医療用のN95マスクと呼ばれているものはもっと苦しいです。一日中、つけられるものではありません。  つまりは、苦しければ苦しいほど、効果がある、ということです。  でも、苦しいということは、「マスク頭痛」の可能性も高いということです。  で、激しいくしゃみとか、いっぱい話す、なんて時は不織布マスクで、そうじゃない時は、布やガーゼ、スポンジ製のものをつける、なんていうのが、今のところの知恵かなあ、なんて思っています。  で、話は変わって、この連載をまとめた本が出ました!『ドン・キホーテ 笑う!』論創社より! 今年の5月までの原稿を集めました。最速です! 売れて欲しいなあ。
ドン・キホーテ 笑う! (ドン・キホーテのピアス19)

『週刊SPA!』(扶桑社)好評連載コラムの待望の単行本化 第19弾!2018年1月2・9日合併号〜2020年5月26日号まで、全96本。
1
2
おすすめ記事