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性教育は下ネタ? 増える若者の妊娠相談。大人側の根本的問題とは/鴻上尚史

性教育は下ネタ? 増える若者の妊娠相談、大人側の根本的問題とは

ドン・キホーテのピアス 気になる記事を見つけました。 「一斉休校期間中、中高生から『妊娠したかもしれない』との相談が増えている」というものです。(共同通信=三浦ともみ)  コロナ禍で暇を持て余し、不安で、同じ時間を過ごすようになった中・高校生が思いがけない妊娠をしていると報告しています。そして、それを単純に「無責任」「とんでもない」と中・高校生のせいにしていいのか、と記事は問いかけるのです。  この事態は「妊娠に関する知識が中高生に欠落している」のが大きな原因だとして、ではなぜ欠落しているのかというと「どの相談窓口の担当者も口をそろえて『性教育が不十分だから』」と答えるそうです。  ではなぜ不足しているのかというと「“人間と性”教育研究協議会の代表幹事、水野哲夫さんは、ある規定の存在を挙げる。その規定は、文部科学省が最低限の学習内容として定める『学習指導要領』にある」として、「一つ目は、小学5年の理科。人間が母体内で成長して生まれることを取り上げる際、『人の受精に至る過程は取り扱わない』との記述がある。二つ目は、中学校の保健体育。思春期における生殖機能の成熟を扱う場合に、『妊娠の経過は取り扱わない』とされている」  つまり、水野さんは「一読して意味を取りづらいが、要するに『性交』を教えないということ」と説明しています。これらは教育関係者の間で『歯止め規定』と呼ばれ、性教育を実施する際のハードルになってきたと解説します。 「性教育」に対しては、エイズ問題もあって、「90年代に性教育への関心が高まった。一方で、『過激な性教育はやめろ』『寝た子を起こすな』などと、保守系政治家らによるバッシングも起こった」とします。  この「寝た子を起こすな論」と「性教育は下ネタ」だと思われていることが、日本が「性教育の後進国」である理由です。
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健全な学びのはずが…閉ざされた日本の性教育
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